パウア貝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/04 01:10 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動パウア貝 | |||||||||||||||||||||
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研磨されたパウア貝の貝殻
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分類 | |||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||
Sea Opal, Abalone[1] | |||||||||||||||||||||
下位分類(種) | |||||||||||||||||||||
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特長
生態
パウア貝は一般的なアワビの仲間と同様、水深 1-15m 程度の浅い沿岸域の岩場に棲む。餌は海藻である。波による撹乱の激しいところでは、パウア貝は大きな足[※ 1]によって岩に強く接着している。
生殖は有性生殖による。様式としては体外受精であり、雄の個体と雌の個体からそれぞれ精子と卵が海中に放出され、受精する。パウア貝の幼生は1週間ほど海中を漂った後、適当な基質に着生する。着生した個体は殻形成を始めるが、後述する採集可能な大きさに成長するまでには 4-5 年を要する。その間多くの外敵に晒されるため、パウア貝の生存率は非常に低い。特に天敵となるのはヒトデである。ヒトデはパウア貝に覆い被さって殻の穴を塞ぎ、窒息・剥落させて捕食する[2]。
貝殻
パウア貝の貝殻は楕円形で、厚さは 2.2-3.5mm(H. iris の値[3])。殻は貝の成長と共に肥厚してゆく。表面はしばしば灰色の石灰質や付着物で覆われている。しかし殻の内層(真珠層)は強いイリデッセンスを示し、緑、青、紫、時にピンク色の色彩を放つ。真珠層は方解石と霰石、その他の有機物からなり、成長するに従い霰石の占める割合が大きくなる[3]。
分類
一般にパウア貝と呼ばれる貝は以下の3種である。
- ヘリトリアワビ
- Haliotis (Paua) iris Martyn, 1784
- Paua, Blackfoot Paua[4], Rainbow abalone[5]
- 最も普通に見られ、良く知られているパウア貝である。ニュージーランド近海の岩礁に棲む。成長すると殻長 18cm に達する[3][※ 2]。殻の表面に光沢は無く、質感は荒い(左下写真)。軟体部は黒色[5]。
- サザナミトコブシ
- Haliotis (Sulculus) australis Gmelin, 1791
- Queen paua, Silver Paua, Yellow Foot Paua, Hihiwa & Karariwha[4], Austral abalone[5]
- ニュージーランド近海の岩礁に棲む。殻の表面に深く細かいひだがある。足はオレンジ色[5]。
- キムスメアワビ
- Haliotis (Sulculus) virginea Gmelin, 1791
- Virgin paua, Virgin abalone[5]
- ニュージーランド近海の岩礁に棲む。殻の表面には細かい模様がある(下写真)。軟体部は H. iris と同様に黒色だが、足のみ白い。
利用
マオリにとってパウア貝は "taonga"(宝物)に位置付けられる貴重品であり、食品として、また伝統工芸・近代工芸の素材として価値のあるものである[6]。パウア貝はマオリの彫刻において目を表すのによく用いられるが、これはマオリが夜空の星々を天から見下ろす祖先たちの目であると考えており、その煌きを再現するためである。
マオリにとってのみならず、パウア貝はニュージーランドで珍重される貝であり、身はごちそうとして、殻はしばしば宝石として扱われる。研磨されて様々な色に輝くパウアの貝殻はニュージーランドの代表的な土産物でもある。
注釈
出典
- ^ Paua Sea Opal Jewelry and Rings Retrieved on April 27th, 2008.
- ^ About Paua: Some quick facts - Paua Industry Council
- ^ a b c Gray and Smith (2004)
- ^ a b Approved Fish Names List - Crustacean, Cephalopod, Mollusc, Echinoderm - New Zealand Food Satisfy Authority, Retrieved on June 3rd, 2008.
- ^ a b c d e 世界海産貝類大図鑑 p24
- ^ Wilson (1987)
- ^ Guidelines for gathering paua - Ministry of Fisheries Internet, New Zealand, Retrieved on June 3rd, 2008.
- ^ pau2-industry-association.pdf - Ministry of Fisheries Internet, New Zealand
- ^ Outfit, Xena - Collections Online - Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa
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