バフィー 〜恋する十字架〜 概要

バフィー 〜恋する十字架〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 23:43 UTC 版)

概要

1992年に製作された同名映画『Buffy the Vampire Slayer』(日本では『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』として公開)の続編として[† 3]、キャストを一新してテレビドラマ化した作品。巧みなストーリー展開やバフィーとバンパイアたちとの戦いなどが話題となり、アメリカを中心に大人気シリーズとなる。

ジョス・ウィードンがこの作品を思いついたきっかけは「バカなブロンド娘がモンスターに殺される映画は見飽きた。一度でいいから、そのバカなブロンド娘がモンスターを蹴り上げる映画を見てみたいと思った」と述べている。またウィードンは、「ホラーとしての高校生活」を描きたかったとも語っており[3]、このシリーズに登場するオカルト的な事象は、「思春期の視聴者が感じる個人的な問題のメタファーである」とも言っている[4]

ウィードンや『LOST』のJ・J・エイブラムス等、ナード系のクリエイター達が活躍するようになったこともあり、『リーパー/デビルバスター』『Chuck』『HEROES/ヒーローズ』をはじめとするアメリカのSF・ファンタジー系のドラマでオタク(ナード)的な若者が活躍する番組が多く製作されるようになった[5]

作中に用いられる手法も独特なものがあり、第4シーズンでは中盤部分に一切セリフがないエピソード(「静けさ」、サイレントエピソードとしてエミー賞にノミネートされた)、第6シーズンではミュージカルのエピソードも製作されている。性描写はシリーズ前半ではほとんど見られないが[† 4]、第4シーズンからは頻繁に登場する。ただし男性同士の恋愛に関してはキリスト教系団体の反発を避けるため意識的に省かれている[6]

上記のウィードンの製作意図にもある通り、ホラー・アクションでありながらその本質は青春ドラマにあり、また、第3シーズンの終わりでは校長や市長等が悪の勢力と取引しているという「悪に支配された」高校が破壊されるなど、反体制的な思想も持ち合わせている[4][† 5]

日本では2000年から2004年11月30日までFOXチャンネルで、2008年からSci Fiチャンネルで『バフィー 〜恋する十字架〜』の邦題で全話放映。地上波でもテレビ東京系列で『吸血キラー 聖少女バフィー』の邦題で放映され、日本テレビ系列の『金曜ロードショー』でも第1シーズンの第1話と第2話が放映され『ゴールデン洋画劇場』でも『ヴァンパイア・キラー/聖少女バフィー』の邦題でダイジェスト版が放映された。DVDもこのタイトルで第2シーズンまで発売されている。また、吹替キャストが異なり、『ナイトフォール』の題で発売されたVHSビデオも存在する(全3巻)。ディズニー社のFOX社の版権獲得により、2021年よりディズニープラスでの配信が開始され、全シーズンの吹き替え版の視聴が可能となった[1]

なお2007年からはコミックスのみの展開であるものの、ダークホースコミックス社よりジョス・ウィードンによる第8シーズンと銘打たれたシリーズが始まっている[† 6]


注釈

  1. ^ ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』で使用されたものと同じ。
  2. ^ サラ・ミシェル・ゲラーは当初コーディリア役に決まっていた。
  3. ^ もともと「リメイク」として企画されたが、映画版と内容が重複するのを避けるために続編として製作したと、第1シーズンDVD-BOXの「音声解説および特典」でジョス・ウィードン自身が語っている。
  4. ^ これは元々このシリーズがテレビ番組のスケジュールに穴が開いたときの穴埋め用として作られたため。
  5. ^ なお、第3シーズン最終話の放映予定日の前月にコロンバイン高校銃乱射事件が発生したため、最終話の放送は1か月延期された。
  6. ^ この第8シーズンは2011年大団円を迎え、前年の2010年にはシリーズ前半部分がアニメ化された。
  7. ^ コミック版では2人姉妹。[1]
  8. ^ バフィーは第1シーズン最終回「予言の少女」でマスターから背後から襲われ、気を失って水溜りに倒れこむ。ザンダーが発見したとき、彼女は心停止状態で息をしていなかった。しかし、ザンダーの必死の蘇生術で息を吹き返した。
  9. ^ スパイクはエンジェルをドゥルーシラの心の病を治す鍵と信じていた。実際エンジェルの血を吸収したドゥルーシラは元気になる。
  10. ^ ケネディはウィローが本気で愛している女性がバフィーであることに気づいた。
  11. ^ このキャラクターに関してプロデューサーの一人マルティ・ノクソンは、ダニー・ストロングは怯えた演技が秀抜なので何度も登場させたと語っている(DVDの音声解説より)。
  12. ^ このキャラクターの造形に関し、ジョス・ウィードンは近所の優しそうな老人のイメージを持たせたと語っている(DVDの音声解説より)。
  13. ^ コーディリアの取り巻き。
  14. ^ バフィーは衣装を借りる前、アンジェラスに関する文献から貴婦人のなりをした女性の挿絵を見つけていた。後のエピソードでこの女性はダーラであったことが明かされる。
  15. ^ このエピソードは一部のシーンがコロンバイン高校の事件を連想させる内容であったため、放映が9月まで延期された。
  16. ^ このエピソードは『エンジェル』の第1シーズンの「ゲーム」、「禁猟区」とクロスオーバーしている。
  17. ^ 「今年の女」と同じくこのエピソードは『エンジェル』の第1シーズンの「ゲーム」、「禁猟区」とクロスオーバーしている。
  18. ^ ウォーレンたちが雇った悪魔。
  19. ^ このエピソードはコミックSlayer,Interrupted』とクロスオーバーしている。
  20. ^ このエピソードではアンバー・ベンソンがメインタイトルにクレジットされている。これはプロデューサーのジョス・ウィードンが物語に意外性を出すために度々使用する手法である。
  21. ^ バフィーをリーダーとするバンパイア退治のための組織。
  22. ^ このエピソードではスパイクが実の母親を殺害していたことが明らかになる。
  23. ^ フェイスは第3シーズンと『エンジェル』で犯した殺人のため逮捕され、刑務所に服役していた。その後脱獄しウィローとともにサニーデールに戻ってきたのだった。
  24. ^ 『エンジェル』の第4シーズン参照。
  25. ^ 使用されたシーン:ザンダーがウィローたちから愛を告白され校舎内を逃げ回る場面。
  26. ^ ダッシュボード・プロフェッツはこのエピソードでブロンズの出演者として登場している。
  27. ^ このエピソードではヘイロー・フレンドリーズも特別出演した。
  28. ^ バッターボックスに立っていた少女。
  29. ^ このエピソードは『Tales of the Vampires 』とクロスオーバーしている。
  30. ^ このエピソードでバフィーとサツが同性愛の関係になる。
  31. ^ 2011年の8月よりダークホースコミックスから『Angel & Faith』が刊行される予定。
  32. ^ 2010年にダークホースコミックスからアニメ版がダウンロード販売されている。

出典

  1. ^ a b 吸血キラー/聖少女バフィーを視聴 | Disney+(ディズニープラス)”. Disney+. 2022年12月12日閲覧。
  2. ^ 吸血キラー/聖少女バフィー シーズン1”. 20世紀スタジオ. 2022年12月12日閲覧。
  3. ^ Interview with Joss Whedon by SF Said Archived 2010年5月12日, at the Wayback Machine. (英語)
  4. ^ a b 町山智浩『アメリカ横断テレビガイド』洋泉社より。
  5. ^ SFマガジン』2008年5月号の「海外SFTVドラマ特集」の堺三保の解説より。
  6. ^ a b DVDの音声解説より。
  7. ^ 『バフィー~恋する十字架』シーズン5 10月放送スタート”. tvgroove (2002年8月30日). 2023年10月17日閲覧。
  8. ^ FOX 『バフィー~恋する十字架』 8/31 新シーズンスタート”. tvgroove (2002年8月30日). 2023年10月17日閲覧。
  9. ^ スカイパーフェクTV! 2004年7月号 - 11月号(8月号は306ページ、11月号は300ページ)
  10. ^ a b c d e 吸血キラー/バフィー シーズン1 DVD情報”. 20th Century Studios Japan. 2023年10月18日閲覧。
  11. ^ @nanaoharuhi (2022年9月13日). "大好きな #水谷優子 さん演じるバフィーの妹、ドーン役で出演しています。". X(旧Twitter)より2023年10月4日閲覧
  12. ^ プロフィール”. 劇団昴. 2023年10月5日閲覧。
  13. ^ プロフィール”. ぷろだくしょんバオバブ. 2023年10月5日閲覧。
  14. ^ プロフィール”. アーツビジョン. 2023年10月5日閲覧。
  15. ^ プロフィール”. 大沢事務所. 2023年10月5日閲覧。
  16. ^ 佐々木望 プロフィール”. ダーナ・ワークス. 2023年10月4日閲覧。
  17. ^ 『エンジェル』第5シーズン
  18. ^ プロフィール”. ケッケコーポレーション. 2023年10月5日閲覧。
  19. ^ プロフィール”. プロダクション・エース. 2023年10月5日閲覧。
  20. ^ プロフィール”. 劇団昴. 2023年10月5日閲覧。
  21. ^ コミック「Haunted」による。
  22. ^ SF/ファンタジーのTVドラマ・映画で注目すべき女性たちとは? - ライブドアニュース
  23. ^ wikia.comからの引用。
  24. ^ Buffy The Animated Series - Voice Casting Informations (英語)






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