ハウルの動く城
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 14:15 UTC 版)
興行成績・評価
公開2日目で観客動員数110万人、興行収入14億8000万円と、日本映画としては当時の歴代最高のオープニングとなり、2005年5月1日までに観客1500万人を動員。興行収入196億円、2004年と2005年の興行成績第1位を記録し、『千と千尋の神隠し』に次ぐジブリ史上第2位の記録を樹立した。日本国内におけるDVDとVHSを合わせたビデオグラム出荷本数は、2007年5月時点で270万本。
その年の第61回ヴェネツィア国際映画祭においてオゼッラ賞、翌年にはニューヨーク映画批評家協会最優秀アニメーション賞を受賞。更にアニメーションのアカデミー賞と言われる第33回アニー賞の長編映画部門作品賞にノミネート[17]されたことに続き、『千と千尋の神隠し』以来となる第78回アカデミー賞にもノミネートされる等、海外においても高く評価された。2008年の英エンパイア誌では、史上最高の映画500本の中に選出されている。また2011年の英誌Total Filmの「史上最高のアニメ映画50本」で46位にランクしている[18]。
2006年7月21日の初TV放映時には32.9%(ビデオリサーチ、関東地区調べ)という高い視聴率を記録している[19]。
押井守は本作を「男のダークサイドを宮崎駿が初めて描いた。ストーリーは無茶苦茶だが表現は円熟している」と評しジブリ作品で一番好きと述べている[20]。
原作や宮崎自身の作劇にマルセル・カルネ監督のフランス映画『悪魔が夜来る』の影響が深く、久石が手掛けた音楽にはニーノ・ロータが手掛けた、フランシス・F・コッポラ監督作品『ゴッドファーザー』の音楽の影響がみられると家政学者の佐々木隆が指摘している[21]。
注釈
- ^ 119分11秒00コマ
- ^ 現:TOHOシネマズ日比谷 SCREEN12
- ^ メイン劇場は日比谷スカラ座だったが、舞台挨拶が行われたのはTOHOシネマズ六本木ヒルズだった。
- ^ ただし、宮崎駿監督作品以外のスタジオジブリ長編作品は基本的に他者原作作品である。唯一の例外は『平成狸合戦ぽんぽこ』で、この作品は監督を務めた高畑勲本人による原作作品である。
- ^ 90歳という年齢はソフィーの声をハニーがドア越しに聴いた際の印象として評したものであり、「90歳」という年齢自体に根拠はない。
- ^ しかし、街中で素行不良の軍人にナンパされたり、ハウルに「ソフィーは綺麗だよ!」と評されており、それなりの美人である。
- ^ そのシーンの絵コンテには、「ヒロインようやく登場」と書き込みされている。
- ^ 言葉によって物に魔法を掛け、生命を吹き込む事も出来る
- ^ しかしその後もソフィーが次第に若返っていくため、魔力を失う以前にも既に魔法が完璧ではなかったと思われる描写が散見される
- ^ 実際、ソフィーの三つ編みがどうなったのかはともかく、契約中のハウルは死人ではないし、その生活に異常は見られない。
- ^ 本作における“カルシファーに心臓を捧げる”という意味に関しては、作中のハウルの性格や最後に心臓を取り戻したハウルが「体が重い」と言っている点から、いわゆる医学的に生命維持に不可欠な臓器としての心臓というよりも、人の魂・精神を一時的に悪魔に与えたという意味合いで扱われている[注 10]。
- ^ 卵の殻
- ^ 目玉焼きやベーコン
- ^ 初めて城を見たソフィーからはその異様な形から「これでお城なの?」と言われ、また城内に入ってからは「ただのボロ屋にしか見えない」とも言われた。
- ^ 蒸気機関で動く路面電車のようなもの。蒸気動車を参照のこと。
- ^ ちなみに、登場した機関車は後半の空襲シーンにおいて炎に飲み込まれてしまう。
- ^ この回から放送番組枠の名称が『金曜ロードSHOW!』から『金曜ロードショー』に戻された[25]。
- ^ 2012年にニコ生で放送された「押井守ブロマガ開始記念! 世界の半分を怒らせる生放送」での発言。
出典
- ^ 2005年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ スタジオジブリ責任編集『THE ART OF HOWL'S MOVING CASTLE 』徳間書店, 2005, p10, ISBN 4-19-810010-1
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社, 2006年, p283, ISBN 4-8459-0687-2
- ^ 舘野仁美『エンピツ戦記』
- ^ “【ジブリ】ハウルの動く城の極秘情報と噂9選「キムタクは練習せず本番」「細田守が監督を務める予定だった」など”. exciteニュース. (2018年6月21日). オリジナルの2018年7月17日時点におけるアーカイブ。 2023年5月16日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “ハウルの動く城の出演者・キャスト”. WEBザテレビジョン. KADOKAWA. 2022年12月16日閲覧。
- ^ 言葉の扉-鈴木俊夫『ロマンアルバム ハウルの動く城』徳間書店, p96-98
- ^ “TOHO LINE-UP 2002 洋画系公開作品”. 東宝. 2001年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月16日閲覧。
- ^ “TOHO LINE-UP 2002”. 東宝. 2002年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月16日閲覧。
- ^ a b c d e 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社, 2006年, p278, ISBN 4-8459-0687-2
- ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社, 2006年, p279, ISBN 4-8459-0687-2
- ^ a b 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社, 2006年, p281, ISBN 4-8459-0687-2
- ^ 鈴木敏夫『映画道楽』角川文庫
- ^ ローソンで行われた「イノセンス・ハウルの動く城マグカッププレゼント」の景品 ヒンキャンペーン要約
- ^ 福田麗 (2014年6月18日). “大泉洋らTEAM NACS、ジブリ新作に出演!故郷・北海道が舞台”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ. 2021年2月4日閲覧。
- ^ スタジオジブリ STUDIO GHIBLI [@JP_GHIBLI] (2021年4月2日). "Q:TEAM NACS全員の役はどうやって決めましたか? 鈴木:ジブリの社内に大ファンのスタッフがいたからです。". X(旧Twitter)より2021年4月3日閲覧。
- ^ 33rd Annual Annie Award Nominees and Winners - ウェイバックマシン(2007年7月1日アーカイブ分)
- ^ “英誌選出「史上最高のアニメ映画50本」”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2011年11月7日). 2022年12月16日閲覧。
- ^ a b c d 叶精二『宮崎駿全書』300頁。
- ^ “「パトレイバー」実写化? ジブリ鈴木Pの暴露に、押井守監督あたふた”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2012年9月18日). 2013年7月13日閲覧。
- ^ 佐々木隆『宮崎アニメ」秘められたメッセージ―『風の谷のナウシカ』から『ハウルの動く城』まで』.ベスト新書.2005年1月20日.ISBN:9784584120828.NDC分類:778.77
- ^ a b 叶精二『宮崎駿全書』299頁。
- ^ 中村均 (2007年5月21日). “110万冊無料配布。“ゲドを読む。”の狙いを読む 宮崎吾朗監督作品「ゲド戦記」DVDのユニークなプロモーション”. 日経ビジネスオンライン. 2017年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月16日閲覧。
- ^ “「ハウルの動く城」15・5%!テレビ放送5回目でも根強い人気”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社 (2015年10月5日). 2022年12月16日閲覧。
- ^ a b “「ハウルの動く城」「ゲド戦記」が金ローで、4月に2週連続オンエア”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2021年3月5日) 2021年3月9日閲覧。
- ^ "「金曜ロードショー」9年ぶりタイトル回帰初回「ハウルの動く城」14.0%! TV放送7回目も根強い人気". Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. 5 April 2021. 2021年4月5日閲覧。
- ^ “金ローで2週連続ジブリ作品、「ハウルの動く城」「思い出のマーニー」放送”. 映画ナタリー. ナターシャ (2022年12月16日). 2022年12月16日閲覧。
固有名詞の分類
- ハウルの動く城のページへのリンク