トノサマガエル 種の保全状況評価

トノサマガエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 17:28 UTC 版)

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、2004年からレッドリスト準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[1]

日本では環境省により、レッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されている[7]

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

近縁種

1930年代までは、日本全国にトノサマガエルが分布していると考えられていた。1941年に、西日本の一部の個体群がトノサマガエルではないことがわかり(ダルマ種族と呼ばれた)、さらにその後、関東平野から仙台平野にかけて分布しているカエルもトノサマガエルではないまた別のカエル(関東中間種族と呼ばれた)であることが判明した。これらの互いによく似た「トノサマガエル種群」とされたカエルたちは、同所的に分布する地域では交雑個体が発見されるほど近縁であり、分布が重ならない場合でも交雑実験を行うとある程度の妊性が認められた。このため同種なのか別種なのか分類が混乱し、1960年代には、関東中間種族は、トノサマ種族とダルマ種族の雑種であると考えられていた。

しかし、1990年代になって、分子生物学的手法などを用いた研究が行われるようになった結果、雑種起源説は否定されつつある。今世紀に入ってからも、どの分類群に名前を与えるべきか、などの点で若干の混乱が残っている。

また、かつてはアカガエル属(Rana)に分類されていたが、独立したトノサマガエル属(Pelophylax)として扱うことが主流となっている。

一例として現在日本爬虫両生類学会が推奨している分類と和名を挙げる。

脚注


  1. ^ a b IUCN Red List of Threatened Species. 2013.1 (Pelophylax nigromaculatus)” (英語). IUCN. 2013年7月18日閲覧。
  2. ^ 徳田 2011, p. 90.
  3. ^ 北海道ブルーリスト - 詳細内容”. 北海道. 2012年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月9日閲覧。
  4. ^ a b c d 前田・松井 1999, p. 86.
  5. ^ 内山りゅう『今、絶滅の恐れがある水辺の生き物たち タガメゲンゴロウマルタニシ・トノサマガエル・ニホンイシガメメダカ』(初版第1刷)山と渓谷社〈ヤマケイ情報箱〉、2007年6月5日、22頁。ISBN 978-4635062602  - 内山は編集・写真を担当、文の執筆は市川憲平。
  6. ^ 平井利明「オオキベリアオゴミムシによるトノサマガエル幼体の捕食 Predation by a carabid beetle (Epomis nigricans) on a juvenile frog (Rana nigromaculata)」(PDF)『爬虫両棲類学会報』第2006巻第2号、日本爬虫両棲類学会、2006年9月30日、99-100頁、doi:10.14880/hrghsj1999.2006.99ISSN 1884-930X 
  7. ^ 環境省第4次レッドリスト(9分類群・分類群順)” (PDF). 環境省. pp. 11 (2012年). 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月18日閲覧。


「トノサマガエル」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トノサマガエル」の関連用語

トノサマガエルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トノサマガエルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトノサマガエル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS