トニー・ソレイタ 経歴

トニー・ソレイタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 00:50 UTC 版)

経歴

幼少期~メジャーリーグ時代

9歳の時に軍人であった父の仕事の事情により、サモアからアメリカ合衆国のハワイ諸島に移る[1]

1965年ニューヨーク・ヤンキースと契約。1968年9月16日にメジャー初昇格。1試合のみの出場だったがアメリカ領サモア出身として初のメジャーリーガーとなった。

その後は1974年までマイナーリーグ生活を送ったが、カンザスシティ・ロイヤルズでメジャー再昇格を果たす。その後は、カリフォルニア・エンゼルスモントリオール・エクスポズトロント・ブルージェイズと渡り歩いた。

日本での活躍

1980年に来日し、日本ハムファイターズに入団。主に指名打者として活躍。来日1年目は5番を打ち、打率は.239と低迷するものの45本塁打を放ち、数々の日本記録を残した。大阪スタヂアムでの対南海ホークス3回戦(ダブルヘッダー第2試合)の1回、佐々木宏一郎から3号3点本塁打を左中間に放つと、3回にも同投手から中堅へソロ、5回には三浦政基からまた左中間に3点本塁打、8回藤田学のストレートを右翼スタンドにライナーで入る6号本塁打を放った。6回に死球があったものの、4打数連続本塁打はパ・リーグ新記録。1試合での4打数連続は読売ジャイアンツ王貞治が1964年に記録して以来、16年ぶりの日本プロ野球界タイ記録。この日を境に「打てないポンコツ外国人」から「サモアの怪人」に変身した。ソレイタは「1試合3本はメジャーでも打ったことがあるが、4本は初めてだ。今まで沈む球を強引に引っ張りすぎて失敗していたからね。なので、今日はセンター方向に打ち返すようにしたんだ。」と得意げに話した。9月4日、日生球場での対近鉄バファローズ後期11回戦の9回に柳田豊から32号ソロを放つと、翌日には西武球場での対西武ライオンズ後期7回戦で第1打席から3連発。2日がかりの4打席連続本塁打でシーズン2回の日本新記録を樹立、そのうち2本は森繁和から打っていた。記録に関してアドバイスをくれたのはメジャー時代からの友人でもある近鉄のチャーリー・マニエルだった。しかし、5打席連続本塁打の新記録の期待がかかった時、マウンドにはソレイタが苦手としていた永射保が出てきてしまい、永射はソレイタに対してはど真ん中のまっすぐばかりを投じていたにもかかわらず、ソレイタは涙目になって目をつぶってしまいあえなく三球三振に終わり新記録達成とはならなかった[2]。一方、打てない時は大沢啓二監督が「あれだけ当たらんもんかな。見ているほうが疲れるわ」とぼやくほどとことん打てず、7月4日のロッテオリオンズ戦(川崎球場)で、いきなりプロ野球記録に並ぶ1試合5三振を喫したこともあった。3点本塁打が多かったことから“ミスター3ラン”とも呼ばれている[1]

1981年には4番を打ち、打率.300、44本塁打、108打点という素晴らしい成績を残し、本塁打王打点王の二冠に輝き、同期入団のトミー・クルーズと共に日本ハムの19年ぶりとなるリーグ優勝の立役者となった。巨人との日本シリーズでは第1戦で1回裏に江川卓からソロ本塁打、第2戦1回裏に西本聖からソロ本塁打と2試合連続で本塁打を打ったが、第4戦以降は無安打に終わり、2勝4敗で日本シリーズ敗退。しかし、MVPは、3勝6敗25S防2.85の江夏豊、.310・16本・81打点の柏原純一に次いで3位という結果であった。「ソレイタが日本人だったらMVPだっただろう」と言われていた。

1982年には指名打者部門のベストナインを受賞、1983年まで4年連続30本塁打以上を記録。1983年限りで退団して現役を引退。

引退後

故郷のサモアへ帰ると公務員となり第2の人生をスタートさせる一方、熱心な野球への支援をし数多くの後輩を育てていた。

銃殺

1990年2月10日、土地取引のトラブルに巻き込まれ、路上で住民の手によりで射殺された[1]。43歳没。








固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 アレックス・ヒンショウ  ジャレッド・フェルナンデス  トニー・ソレイタ  ミラー・ハギンス  ルパート・ジョーンズ
北海道日本ハムファイターズ及びその前身球団の選手 宮本幸信  池田剛基  トニー・ソレイタ  鈴木望  黒木純司
ニューヨーク・ヤンキースの選手 ウェイド・ボッグス  セシル・フィルダー  トニー・ソレイタ  ルパート・ジョーンズ  フレディ・グーズマン
トロント・ブルージェイズの選手 エドウィン・エンカーナシオン  セシル・フィルダー  トニー・ソレイタ  デーブ・スティーブ  トム・エバンス
ワシントン・ナショナルズ及びモントリオール・エクスポズの選手 リゴ・ベルトラン  カルロス・バイエガ  トニー・ソレイタ  リー・スティーブンス  マット・スクルメタ
ロサンゼルス・エンゼルス及びその前身球団の選手 ホイト・ウィルヘルム  セシル・フィルダー  トニー・ソレイタ  ルパート・ジョーンズ  ジェフ・シュワーズ
カンザスシティ・ロイヤルズの選手 ジョシュ・アンダーソン  ホセ・サンティアゴ  トニー・ソレイタ  ルパート・ジョーンズ  フアン・ゴンザレス

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