デンタルインプラント メリット・デメリット

デンタルインプラント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 21:05 UTC 版)

メリット・デメリット

メリット

  • 天然歯のように顎の骨に固定するので、比較的違和感がなく固いものを噛むことができるようになる。
  • 隣の歯を削る必要がないため、他の歯に負担をかけない。
  • クラウンブリッジタイプにおいては見た目が天然歯に近い(歯周組織の喪失状態によっては、義歯の方がすぐれる場合もある)。

デメリット

  • 長い治療期間を要する。インプラント手術から最終補綴物(被せ物)を被せるまで、確実性を重視する場合は半年程度の期間を要し、患者はある程度の不自由を課せられる。
  • 歯槽骨を切削する必要があり、血管や神経を傷つけた場合は術後の後遺症や死亡事故につながる場合がある[17]
  • 全身疾患がある場合には治療できない場合がある。
  • 骨から体外に直結する構造のため、天然の歯周組織と比べやや感染の危険性が高く、感染後の進行も早い[18]。したがって人工歯根を維持するためには、口腔衛生の管理と定期的な検診が必要となる。
  • 昨今、インプラントの種類が増えて来ていることやそれを自由に選ぶことが出来るなどの事情により、患者によっては埋設されるインプラント本体が周囲の骨へ与える影響の大きさを常に考慮する必要性に迫られる点がある[19]
  • 日本においては自由診療(保険外診療)となるので、現状ではかなり多額の治療費がかかる。
  • インプラントを行ってから、施術対象者が高齢であることも多いので、加齢によって歯肉が痩せるなどを主因として再度治療、手術などの必要も出て来るが、どの程度の期間(例えば20年の耐久が充分なのか短いのか)であれば満足するべきなのか、費用対効果の点で納得するべきなのか、歴史が浅いため社会的な常識がいまだ形成されているとはいえない[独自研究?]

  1. ^ a b c d 畑好昭「今と昔のインプラント」『明倫歯科保健技工学雑誌』第11巻第1号、明倫短期大学新潟県新潟市、2008年3月、3-8頁。 
  2. ^ 朝倉 2017, p. 84・85.
  3. ^ a b c Shulman, LB; Driskell, TD: Dental Implants: A Historical Perspective. In Block, M; Kent, J; Guerra, L, editors: Implants in Dentistry. Philadelphia: W.B. Saunders, 1997. page 2.
  4. ^ “Bone healing at implants with a fluoride-modified surface: an experimental study in dogs.”. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=17269959&ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum 
  5. ^ デンツプライ三金 (2008年3月13日改訂). “セルコンアバットメント(フリアデントセルコンアバットメント)”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年3月10日閲覧。
  6. ^ 色川裕士、佐藤孝 弘、藤井規孝、橋本明彦、野村修一「当科における過去5年間のインプラント治療の臨床統計的検討」『新潟歯学会誌』第32巻第2号、新潟歯学会新潟市中央区、2002年12月、285-289頁、ISSN 0385-01532010年3月9日閲覧 
  7. ^ 、神村正人、木村瞳、田 代教二、山田俊介、大森佳二、大坪由佳、山田勝己、城戸寛史、高橋裕、佐藤博信、松浦正朗「高齢者に対するインプラント治療の現状について」『日本口腔インプラント学会誌』第19巻、日本口腔インプラント学会東京都港区、2006年、349頁。 
  8. ^ a b 、ENGFORS、ORTORP (2002). “Fixd implant-supported prostheses in elderly patient :A-5 year prospective study”. Clin.Implant.Dent.Relat.Res 6: 97-102. 
  9. ^ a b c 鶴巻浩「70歳以上の高齢者における歯科インプラント治療についての実態調査」『日本口腔インプラント学会誌』第22巻、日本口腔インプラント学会、東京都港、2009年9月、330-337頁、ISSN 0914-6695 
  10. ^ デンツプライ三金 (2008年3月13日改訂). “セルコンアバットメント(フリアデントセルコンアバットメント)”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年3月10日閲覧。
  11. ^ PICONI,C MACCAURO,G (1999). “Zirconia as a ceramic ciomaterial”. Biomaterials 20: 1-25. 
  12. ^ a b 「インプラントの咬合」保母 須弥也、細山 愃 著 クインテッセンス出版 ISBN 978-4874179338
  13. ^ a b インプラントの咬合、保母 須弥也著、ISBN 978-4874179338
  14. ^ アールアンドディ偏。歯科機器・用品年鑑:2008年度版
  15. ^ MOrris HF,Ochi S Hydroxyapatite-coated implants:a case for their use.J Oral Maxillofaf Surg 1998;56;1303-1311
  16. ^ a b 堤厚二・永山正人・富田達洋・三島顕・賀来亨「歯石様石灰化物の付着を認めたHAコーティングインプラントの撤去症例について」『日本口腔インプラント学会誌』第14巻、日本口腔インプラント学会東京都港区、2001年、461-469頁。 
  17. ^ 虫歯の人が妄信してしまう危険な歯科医5例 インプラントが「骨を突き抜ける」ケースも 東洋経済オンライン 2018年8月19日
  18. ^ インプラントにも歯周病 速い進行、気付かぬことも 47news 2012年6月5日
  19. ^ 「ワンピース型」インプラントのリスク、顎骨壊死や神経症も NEWSポストセブン 2018年8月18日
  20. ^ 硬組織のみ切削
  21. ^ 『インプラントを支台としたカンチレバーの10年後の調査』 Curtis M Becker「Quintessence International」 6/2004






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