デンタルインプラント 患者の割合と治療成績

デンタルインプラント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/26 06:51 UTC 版)

患者の割合と治療成績

現在デンタルインプラントの10年生存率はシステム、患者の年齢などにより左右されるがおおむね90%以上となっている[1]。また、インプラント治療施設に来院する患者の平均年齢は年齢的には若く、しかし歯周病などの影響が顕在化する40代-50代が一番のボリュームゾーンとなっている[5]。高齢者に関しては全身疾患などの影響により症例数が少ない[6]。しかし、 高齢化の社会情勢を受けて、患者数は増加傾向にある。高齢者の治療成績はENG-FORSらが80歳以上の133人に固定性の上部構造を装着し5年残存率が上顎で93.0%、下顎で99.5%を示したと報告[7]、日本においても鶴巻が、25人を平均27.2ヵ月調査し、累積残存率98.6%の結果を得た[8]。以上より高齢者のインプラントの治療成績も若年者に対しそれほど劣ったものではない[8]。しかし全身合併症、手術時合併症に留意する事が必要である。

構造

インプラント体の構造は、

  • 顎骨に埋めるフィクスチャー部
  • 被せ物の支台となるアバットメント

の二つからなるが、これを一体とした「1ピースタイプ」がある。

また、インプラント体に人工歯冠・上部構造を装着する。

そしてその装着物固定も、ネジ・セメント・磁石など各種ある。

上記すべての構造体は多種多様で、強度・クッション性・寿命などの特徴も多種多様であり、手術自体と同じようにこうした治療計画によって、治療の結果も大きく変わってくる。

ジルコニアアバットメント

ジルコニア製のアバットメント(en,土台部分の一部)であり、日本国内では2005年薬事法の認可がおり[9]、臨床応用が始まっている。前歯部は歯が無くなると、唇側側より歯槽骨の吸収が生じる。そのためデンタルインプラントを本来歯があった場所に植立しようとすると、金属製のアバットメントが露出しやすく審美障害の原因となっていた。その対策として金属と同等の強度を有するとともに高い靭性があり[10]、かつ白色で審美性の高いジルコニアが症例により用いられるようなっている。2018年に施行された第111回歯科医師国家試験で出題が開始されるなど学術的な認知もあがってきており、普及期に入ってきている。 (詳細はジルコニアアバットメントの項目を参照のこと

1ピース・2ピース

インプラント体は二つの部分に分けられるが、この双方を一体となった1ピースタイプ(1パーツタイプ)と別々になった2ピースタイプ(2パーツタイプ)がある。

双方に、メリットとデメリットが存在する。 1ピース1回法はパーツが少なく手術が1回で済むことから、施術費用が安く済む反面、トラブルのあった際に顎骨からすべて取り出す必要が生じることがある。2ピースタイプは、個々異なる状態に合わせて組み合わせる事が可能であり、トラブルがあった際に埋め込んだフィクスチャー部を顎骨から取り外す危険が少ないが、パーツの数が多くなることから費用が高くなる傾向がある。


  1. ^ a b c d 畑好昭「今と昔のインプラント」『明倫歯科保健技工学雑誌』第11巻第1号、明倫短期大学新潟県新潟市、2008年3月、 3-8頁。
  2. ^ a b c Shulman, LB; Driskell, TD: Dental Implants: A Historical Perspective. In Block, M; Kent, J; Guerra, L, editors: Implants in Dentistry. Philadelphia: W.B. Saunders, 1997. page 2.
  3. ^ “Bone healing at implants with a fluoride-modified surface: an experimental study in dogs.”. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=17269959&ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum 
  4. ^ デンツプライ三金 (2008年3月13日改訂). “セルコンアバットメント(フリアデントセルコンアバットメント)”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年3月10日閲覧。
  5. ^ 色川裕士、佐藤孝 弘、藤井規孝、橋本明彦、野村修一「当科における過去5年間のインプラント治療の臨床統計的検討」『新潟歯学会誌』第32巻第2号、新潟歯学会新潟市中央区、2002年12月、 285-289頁、 ISSN 0385-01532010年3月9日閲覧。
  6. ^ 、神村正人、木村瞳、田 代教二、山田俊介、大森佳二、大坪由佳、山田勝己、城戸寛史、高橋裕、佐藤博信、松浦正朗「高齢者に対するインプラント治療の現状について」『日本口腔インプラント学会誌』第19巻、日本口腔インプラント学会東京都港区、2006年、 349頁。
  7. ^ a b 、ENGFORS、ORTORP (2002). “Fixd implant-supported prostheses in elderly patient :A-5 year prospective study”. Clin.Implant.Dent.Relat.Res 6: 97-102. 
  8. ^ a b c 鶴巻浩「70歳以上の高齢者における歯科インプラント治療についての実態調査」『日本口腔インプラント学会誌』第22巻、日本口腔インプラント学会、東京都港、2009年9月、 330-337頁、 ISSN 0914-6695
  9. ^ デンツプライ三金 (2008年3月13日改訂). “セルコンアバットメント(フリアデントセルコンアバットメント)”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年3月10日閲覧。
  10. ^ PICONI,C MACCAURO,G (1999). “Zirconia as a ceramic ciomaterial”. Biomaterials 20: 1-25. 
  11. ^ a b 「インプラントの咬合」保母 須弥也、細山 愃 著 クインテッセンス出版 ISBN 978-4874179338
  12. ^ a b インプラントの咬合、保母 須弥也著、ISBN 978-4874179338
  13. ^ アールアンドディ偏。歯科機器・用品年鑑:2008年度版
  14. ^ MOrris HF,Ochi S Hydroxyapatite-coated implants:a case for their use.J Oral Maxillofaf Surg 1998;56;1303-1311
  15. ^ a b 堤厚二・永山正人・富田達洋・三島顕・賀来亨「歯石様石灰化物の付着を認めたHAコーティングインプラントの撤去症例について」『日本口腔インプラント学会誌』第14巻、日本口腔インプラント学会東京都港区、2001年、 461-469頁。
  16. ^ 虫歯の人が妄信してしまう危険な歯科医5例 インプラントが「骨を突き抜ける」ケースも 東洋経済オンライン 2018年8月19日
  17. ^ インプラントにも歯周病 速い進行、気付かぬことも 47news 2012年6月5日
  18. ^ 「ワンピース型」インプラントのリスク、顎骨壊死や神経症も NEWSポストセブン 2018年8月18日
  19. ^ 硬組織のみ切削
  20. ^ 『インプラントを支台としたカンチレバーの10年後の調査』 Curtis M Becker「Quintessence International」 6/2004





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