ゼロの使い魔の用語一覧 国名・地名

ゼロの使い魔の用語一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 10:21 UTC 版)

国名・地名

ハルケギニア

主人公の平賀才人が召喚された異世界。広大なハルケギニア大陸を中心とした世界で、トリステインを始め大小多くの国家が存在する。夜には赤と青の2つの月が浮かぶ。文化レベルは中世近世ヨーロッパのものに近い。魔法が発達しており、魔法を使える者は貴族として敬われ、多くの人々は平民として暮らしている。貴族には横暴な者が多いため、不満を抱いている平民も少なくない。レコン・キスタの反乱が鎮圧された後、トリステイン・ゲルマニア・ガリア・ロマリアの4か国によって、それぞれの国内で共和政を掲げる反乱が勃発した場合、反乱軍を4か国共通の敵とみなして残りの3か国が王政府を援助する「王権同盟」が締結されている。

物語はハルケギニア大陸の西部(地図参照)が舞台になっており、ヨーロッパ大陸を南北に長くしたような姿をしている。西方のアルビオンは空飛ぶ大陸で地図の場所には定置していない。また地図の右辺以東においては砂漠地帯を挟んで「聖地」「東の世界」が存在する。

いわゆるファンタジー世界ではあるが、火薬コークスなどが存在する。ただし技術レベルは基本的には手工業レベルであり、工業製品を大量生産するという概念や技術は存在していない。

地球とは使われている言語や文字が違う。ゲートを通った(アニメ版ではルイズの魔法が作用した)才人はともかく、偶然迷い込んだシエスタの曾祖父やオスマンを助けた兵士らの言葉が通じた理由は不明。

ハルケギニア諸国の国名(ゲルマニアガリアアルビオン)や都市名は、ヨーロッパの古名から採られている。

なお、ハルケギニア全体図は、第7巻の口絵で見ることができる[1]

アニメ版では、皆既日食の際にハルケギニアと地球を繋ぐゲートが開き、月に向かって飛び込む事で行き来ができる。これは地球側も同様。

トリステイン王国

ハルケギニア大陸の西方に位置する小国。ルイズ達が通うトリステイン魔法学院はこの国にある。国土面積はガリアやゲルマニアの10分の1ほどで、オランダベルギーを合わせた程度(約7万km2[2]。王都はトリスタニア。王家の紋章は百合をかたどったもの(アニメ版では白地に意匠化された金色の百合)。これとは別に王女の紋章として聖獣ユニコーンと水晶の杖を組み合わせたものがある。始祖ブリミルの3人の子どもの1人が作った国の1つ。

歴史ある国家だが、伝統としきたりに固執するあまり国力は年々低下している。現在、女王アンリエッタの施政の元、伝統に囚われない新しい体制へと移行しようとしている。

固有名詞や生活習慣などから、中世〜近世のフランスがモデルとされる。

トリステイン魔法学院
ルイズたちの母校でサイトが召喚された場所でもある。王都トリスタニアから馬で2時間ほど(徒歩だと2日)の距離にある。詳しくはトリステイン魔法学院を参照のこと。
トリスタニア
トリステインの王都。王城をはじめ白い石造りの建物が目立つ美しい街。アニメ版の設定画によれば王城と貴族の屋敷、下町の間に大きな川が流れている。貴族・平民が多数生活しているが、街一番の大通りとされるブルドンネ街でも道幅は5メイルほどしかなく、裏通りのチクトンネ街には多数の酒場や賭博場もある。
ラ・ロシェール
トリステインの南側にある一都市で、魔法学院からは馬で2日ほどの距離にある。山あいの町ながら、浮遊大陸アルビオンが定期的に接近するので空飛ぶフネの港町となっている。古代の世界樹(イグドラシル)の枯れ木をくり抜いた立体型の桟橋に多数のフネを係留できる。スクウェアクラスのメイジが岩から切り出して作った建物群が特徴。
タルブ
ラ・ロシェールの近くにある村で、シエスタの故郷。見晴らしのいい大きな草原が特徴。アルビオン軍がトリステインに侵攻した際には降下ポイントにされた。かつてシエスタの曾祖父が持ち込んだ竜の羽衣(ゼロ戦)は、その後何も無い村の名物として寺院に展示されていた。良質のブドウが採れ、シエスタは将来に悩む才人に「2人の名前を付けたワインを作ろう」と持ちかけたことがある。村の郷土料理はシエスタの曾祖父が伝授した、山菜や木の根っこを鍋で煮るシチュー「ヨシェナヴェ」。なお、「寄せ鍋」という言葉がハルケギニアの人間には発音が難しいらしいので、このような名称となった。
ラグドリアン湖
トリスタニアとガリアの間にある面積600平方キロメイルほどの湖(琵琶湖とほぼ同じ)で、ハルケギニア随一の名勝と謳われる。水の精霊の住処であり、精霊の前でかわされた誓いは決して破られないといわれている。物語が始まる3年前、アンリエッタとウェールズはこの湖畔で催された園遊会で出会い、恋に落ちた。また、ガリア側の湖畔は王家直轄領であり、かつてのオルレアン公領、つまりタバサの実家がある。
ダングルテール(アングル地方)
トリステイン西部の海岸沿いに位置する辺境部。数百年前にアルビオンから入植してきた人々が築いた土地で、時のトリステイン政府とたびたび悶着を起こしながら、100年程前には一種の自治区となっていた。しかし実体は寒村があるばかりでわずかな漁業以外には目立った産業は無い。独立独歩の気風が強い地方で、ロマリアの宗教改革「実践教義」を取り入れて住民は全て新教徒。それゆえ時のロマリア政府にまで目をつけられ、20年前には密約の下で大規模な異教徒狩りが行われた。いわゆる「ダングルテールの虐殺」で、公的には住人は疫病のため全員が死亡したとされるが、わずかな生き残りが存在する。
ド・オルニエール
トリスタニアの西にある30アルバン(10キロ四方)の土地で、雑草が生えた荒涼とした更地が続いている。才人の領地。10年前には領主がいたが、病で亡くなった。それにより若者が出稼ぎなどに行き、領地が廃れていった。昔はぶどうが良く獲れ、そのぶどうを使ったぶどう酒ワインが名産だったという。
シュルピス
伯爵が治める大きな街。各方面の主要街道が合流、離散する為、交通の要衝となっている。第17巻でルイズが家出したときに滞在した。
チェルノボーク
監獄がある町。物語には登場していないが、第16巻でトリスタニア市民を脅すときにアニエスが口にしている。「チェルノボーク」の名を聞くと、大抵の人は震え上がるらしい。
ドーヴィル
海辺にほど近い保養地。トリスタニアから馬で3日ほど離れた場所にある。大海に面した小さな街で貝と魚を採って暮らすしかない寂れた土地だが、夏になると海流の影響で海が七色に輝くため、観光地として知られており、マリアンヌ御用達の宿も存在する。人口は200人ほどいたが、30年前の初夏にノワールらによって、当時いた街の人間は皆殺しにされた。

ロマリア連合皇国

始祖ブリミルの弟子・フォルサテが興した国で、ガリア王国の南にある都市国家群。かつて王国だった時代もあるが、現在は教皇が治めている。「光の国」と呼ばれることもあるが、その実態は「光の国」とは程遠く、神官と平民の生活差が激しい。

神官の最高権威「宗教庁」が存在し、始祖ブリミルの予言および「虚無」を研究している。世俗の権力や戦乱には無関心とされるが、エルフに占拠された「聖地」の奪還を目指しており、密偵団を使って「虚無」に関する情報収集を行っている。“場違いな工芸品”についても何百年も前から収集しており、才人のような異世界(地球)人との接触も、表沙汰にはされていないが何度となくあったという。

アクイレイア
ガリア国境付近の火竜山脈ふもと、虎街道付近にある人工島と水路で構成された海上都市。第13巻に登場。第13巻の「アクイレイアの聖女」はここから取られた。街周辺の海水は聖水としてあがめられている。アニメ版Fではエンシェントドラゴンの襲撃で住人諸共壊滅してしまった。

ガリア王国

タバサの祖国で、始祖ブリミルの子供の1人が興した国。王都の名はリュティス。王城はヴェルサルテイル宮殿。王家の紋章は組み合わされた2本の杖[3]

人口約1500万人というハルケギニア一の大国で魔法先進国でもある。そのため貴族の数が多く軍事力は非常に高く、空軍艦隊の規模は周辺諸国を圧倒し、国土の半数が裏切っても九万の軍を即時召集する程の力を持つ。また様々な魔法人形(ガーゴイル)が使われている。しかしその体制は一枚岩ではなく政争が絶えない。文化形式はトリステインとほぼ同じ。

第15巻で国王ジョゼフ1世が死亡し、代わってシャルロット(タバサ)が国王に即位する。第17巻でシャルロット女王の妹ジョゼットがロマリアの策略により女王に入れ替わり、聖戦を承諾してしまう。第18巻で教皇が真意を明らかにしたことで、シャルロットも聖戦を承諾した。女王の座はシャルロットの名前と共にジョゼットに委譲されていたが、聖戦終結後、ジョゼットがジュリオの下に行く為に女王の座を放り投げてしまったため、再びタバサに返還されている。

ガリアでは双子が生まれた場合、片方が"いなかった事にされる"風習があるが、タバサはこれを廃そうと考えている。

リュティス
ガリアの王都で、人口30万というハルケギニア最大の都市。トリステイン国境部(オルレアン公領はこの辺り)から1000リーグも離れた内陸地だが、大洋に流れるシレ河の沿岸に位置し、河の中洲を中心に発展した。主たる都市機能に加え、魔法学校をはじめ貴族の子弟が通う様々な学校があり、街並みは古いながらも壮麗である。
都市の郊外には王族の居城・ヴェルサルテイル宮殿がある。ジョゼフの先々代の王ロベスピエール3世[4] によって森を切り開いて造られた宮殿は、世界中から招かれた建築家や造園師の手による様々な増築物によって現在も拡大を続けている。薔薇色の大理石と青いレンガで作られた巨大な王城「グラン・トロワ」があるが、第14巻で崩壊した。その後、「新王宮(ヌーベル・グラン・トロワ)」が跡地に建設中である。また、イザベラがいた城は「プチ・トロワ」と言う。そして、場内の東、西、南に花壇がある(東花壇騎士団など、各方角の花壇騎士団はこの花壇が由来)。
エギンハイム
リュティスから徒歩で5日、馬で2日ほどかかる距離にある、ゲルマニアとの国境付近のアルデラ地方に存在する村。両国の国境を跨いで存在する深い森(両国ともに「黒い森」と呼ぶ)に覆われており、ガリアとゲルマニアの間に戦争が起こるたびに領有者が変わる。翼人を掃討してほしいという村人と領主の要請を受け、タバサが派遣された。
アーハンブラ城
人間とエルフの領土のほぼ境界線上(オルレアン公領とは、リュティスを挟んでほぼ正反対の方角)に位置する城で、城壁は細かい幾何学模様に彩られている。千年近く前にエルフが建設した城であり、その後は幾度と無く人間側とエルフ側の熾烈な攻防が繰り広げられ、数百年前に人間側が得て以来ガリア領となっている。城の規模が小さいため現在は廃城となっており軍事拠点としては機能していないが、丘の麓にオアシスが存在するため城下町は交易地として栄えている。
第10巻でエルフのビダーシャルに捕らえられたタバサとその母はここに移送・幽閉されたが、ルイズたちによって救出された。
サン・マロン
海沿いの街で、両用艦隊の大規模な基地がある。この基地の内部には製造工房及び実験場(機密保持のため「実験農場」と呼ばれる)が存在し、ヨルムンガントの製造が行われた。
セント・マルガリタ修道院
第17巻で、ルイズが家出した際に身を潜めた場所。岬の突端にあり、周りは海と荒々しい岩で、竜籠などの空路じゃないと行けないので「陸の孤島」と呼ばれた。ここにジョゼットが住んでおり、度々、ジュリオが訪れていた。
カルカソンヌ
首都リュティスから西に40リーグほど離れた中核城塞都市。2リーグほどの橋状の崖の上に位置する。街の家の屋根のほとんどが赤レンガで出来ている。そのため、上から見ると赤い蛇のように見えるため、別名「赤蛇(セルパン・ルージュ)」と呼ばれている。第15巻に登場。
ヴァルハラ
チェルノボークと同じく、監獄の町。物語には登場していない。

アルビオン王国

地上3000メイルの高さに位置する浮遊大陸に位置する、始祖ブリミルの子供の1人が興した国。

王都はロンディニウム。王城はハヴィランド宮殿。アニメ版に登場したアルビオンの国旗は、縦長の赤地に3匹の竜が並んで横たわるという意匠。

大陸の下半分が白い雲で覆われているため「白の国」の通称を持つ。一定のコースでハルケギニア上空を周回浮遊し、2つの月が重なる夜にトリステインのラ・ロシェールに最接近する。

アルビオン王族はレコン・キスタにより滅ぼされ、その後レコン・キスタの拠点となったが、レコン・キスタが崩壊した現在は、トリステイン・ゲルマニア連合軍の進駐地は両国の直轄地となり、それ以外の領土に関してはアルビオンから代王、トリステインとゲルマニアからそれぞれ副王を出して共同統治という形をとっている。次期国王はまだ決まっていないが、王権(=ブリミルの血を引く者による統治)を復活させることは決定している。

なおアルビオン王国はアルビオン浮遊大陸上の国であり、ハルケギニア大陸とは明確に区別される。

第18巻でアルビオンはかつての風石の暴走による"大隆起"の名残である事が判明した。

ロサイス
港町。鉄塔型の桟橋ではフネの係留のみならず艤装も行えるなど軍港としての施設は整っているが、反面大人数を一気に乗船させるような構造にはなっていない。赤レンガの建物が施設の中央にあり、敵味方を問わず司令部として利用された。
作中ではたびたび登場しているが、場所の記述は「ロンディニウム郊外」「ロンディニウムから馬で2日」「ロンディニウムから南へ300リーグ」などはっきりしていない。
サウスゴータ
アルビオンの一地方で、ロサイスとロンディニウムを繋ぐ交通の要衝。「土くれ」フーケの出身地。その範囲は広く、中心都市「シティオブサウスゴータ」はもちろん、同市に水源を提供する山脈一帯までもがこの地方に含まれる。そのためか議会によって行政は運営され、太守は名目上の存在だったらしい。
シティオブサウスゴータは人口4万を数えるアルビオン有数の大都市で、円形状の城壁と内面に作られた五芒星形の大通りが特徴。始祖ブリミルが最初にアルビオンに降りた土地とも言われる。
ダータルネス
ロサイス北部にある港町。第6巻で、レコン空軍吸引作戦に実行するため、才人と、ルイズ、ルネら竜騎士隊が向かった町(ただし、ルネら竜騎士隊は特攻護衛の為、途中で戦線離脱)。

神聖アルビオン共和国

アルビオン王族を倒したレコン・キスタが新たに建てた国。「貴族議会」が合議のもとに政治を行う非民主型の共和制国家で、議会の議長であるクロムウェルが「神聖皇帝」と称したことから「アルビオン帝国」とも呼ばれる。

ゲルマニアに嫁ごうとするアンリエッタを親善訪問した際の「事故」を口実にトリステインへ宣戦布告、同国のタルブに降下戦をしかけるも失敗。その後は謀略によってトリステインの国力を削ぐ策をとるが、女王として即位したアンリエッタの決断によって逆にトリステイン・ゲルマニアの両国に侵攻される。タルブ降下戦から半年以上に及んだ戦いは、中立を標榜していたガリアの参戦によって皇帝クロムウェルが死亡したことから、同国の滅亡という結果で終わった。

帝政ゲルマニア

キュルケの祖国でトリステインの北東にある広大な国(面積はトリステインの10倍ほど)。首府はヴィンドボナ。もとは都市国家だったが、周辺地域を併呑して版図を広げた。現在の元首は皇帝アルブレヒト3世だが、貴族が利害関係の上で寄り集まって国ができたという経緯上、皇帝に対する忠誠心はあまり高くない。また皇家が始祖ブリミルの血を引いていないため、ハルケギニアの他国の王よりも格下に見られている。

社会風習や政治制度も他国とは一線を画しており、メイジではない平民でも金があれば領地を買い取って貴族になることができる[5]。このことから他国に「野蛮」と言われている。また恋愛に関しては積極的にアプローチするのが当然という気風があり、慎み深いとされるトリステイン人にとってはそれがしばしば「ゲルマニア人は好色で多情」と思われる原因になっている。

クルデンホルフ大公国

ベアトリスの祖国。アンリエッタの先々代にあたるトリステイン国王フィリップ3世によって大公領を賜ったことから始まる新興国。

軍事及び外交では他のトリステイン貴族と同様にトリステイン王国に依存しているが、「空中装甲騎士団」という親衛隊など独自の強力な軍事力を保持している。名目上とはいえ独立国であることと、また富裕な財力をもとに、ギーシュやモンモランシーの実家など多くのトリステイン貴族に金を貸していることから、大公家にはトリステイン貴族を睥睨する者も存在する。

火竜山脈

ガリアとロマリアの国境に位置し、東西に伸びる山脈。付近にアクイレイアなどの都市がある。また、ガリア~ロマリア間を繋ぐ虎街道などの主要街道がある。第18巻で1部が"大隆起"している。現在、"大隆起"した部分についてガリアとロマリアが係争中である。

アニメ版『F』では世界を焼き尽くした大いなる災厄であるエンシェントドラゴンが眠っていた。

「聖地」

ゲルマニアの東にある砂漠の彼方、始祖ブリミルがハルケギニアに初めて降り立ったとされる伝説の地域。数千年前に砂漠に住みついたエルフによって聖地への道は閉ざされ、今ではどのような土地であるか不明となっている。ヴィットーリオなどは、ここを「聖地」や「心の拠り所」、「魔法装置」と呼んでいる。過去エルフ討伐・聖地回復を目的に兵が派遣されたことがあるが、エルフに勝利するには10倍以上の兵力が必要とされ、ことごとく失敗したことから、聖地回復の戦争は数百年前を最後に行われていない。レコン・キスタやロマリア皇国の最終目標はこの聖地の奪還にある。

エルフはこの地を「シャイターン(悪魔)の門」と呼び、6000年前(始祖ブリミルの降臨も6000年前である)に大いなる災厄をもたらしたとして封じている。ビダーシャルによればここ数十年活動が活発になっているとのことで、エルフはこれを悪魔の目覚めの兆候として虚無の復活を警戒している。 この土地に大隆起を起こす精霊石が存在する。ブリミルはこれを破壊する為、エルフと交渉していたが決裂し、エルフの土地もろとも虚無の魔法"生命"によって精霊石を破壊した。

これが後に大災厄と呼ばれた事件の真実である。しかし、このとき破壊された精霊石は一部であり、6000年後の現在、再び大隆起の危機が訪れている。しかし、才人とルイズの活躍によって残った精霊石も破壊され、もう数万年は起きないとされている。

ジュリオ・チェザーレによれば、聖地の周辺で“場違いな工芸品”が多く見出される。

「砂漠」(サハラ)

エルフが自らの住む土地をこう呼ぶ。具体的な地域ではなく「我らの土地」という意味でも使う。

人間の居住地域との往来が全くないわけではなく、行商人との取引やガリアとの交渉など、ある程度の往来はある。

エウメネス
サハラの最西端に位置する自由都市。エルフが唯一人間達と共存し、ハルケギニア、東方の双方と交易を行っている。何百年も前は掟を破るなど罪を犯して追放されたエルフ達が流れ着く流刑地だった。エルフの評議会からはエルフの都市として認められておらず、ほとんどのエルフ達は近寄ろうともしない。特に鉄血団結党は「エルフの誇りを捨てた裏切り者の街」と存在そのものを忌み嫌っており、エスマーイルは火石を用いて街を消滅させようと企んだ。

ネフテス国

エルフの住む国。首都は、アディール。

アディール
ネフテス国首都。景観は、才人曰く「中東の人工都市、海に浮かぶ町」である。首都中央に評議会本部を構える。

「東の世界」(ロバ・アル・カリイエ)

聖地の更に東にあるという地域。ハルケギニアと同様に人間が住んでいるが、聖地への往来が不可能になってからは直接の往来がない[6]

シェフィールドの祖国であり、エルフとの争いが絶えない土地でもある。エルフへの対抗からさまざまな技術を磨いてはいるが、シェフィールドによると、それらはエルフの技術の模倣に過ぎないらしい。

細かい素性を隠すため、才人はこの地から召喚されたということになっている。シエスタの曽祖父が東の方角から飛んで来たため、自分の世界に戻る手がかりを求めて才人はいつかこの地に旅立つと決めている。

地球

主人公の平賀才人が元々いた世界を示す名前。ハルケギニアからは異世界と称される。ロマリアの人々はこの世界からもたらされた物品を場違いな工芸品と呼び、多くを保存している。

場違いな工芸品の種類から見て、様々な国家が存在している模様だが、それら国々が物語に直接的に影響を与えている描写はほとんどない。

日本

地球に存在する国家。才人は東京より召喚され、ハルケギニアの地に来た。ハルケギニアとは違う文化・価値観を持っており、母国語も全く違う。

初期の頃はそれが原因で才人とトリステインの貴族の間で衝突が起こることもしばしばであった。

使い魔や武器の一部として召喚されれば日本からハルケギニアへ来ることが可能になるほか、アニメ版の設定では皆既日食の間であれば、ハルケギニアと「繋がり」、往来が可能となるらしい(実際に往来したことは無いので真偽は不明)。アニメ版『F』ではルイズの「世界扉」で通じる他、日本で起こっていた皆既日食を利用し、サイトが実際に帰ってきた。

60年前、大日本帝国時代にゼロ戦に乗った佐々木武雄(シエスタの曽祖父)が来ていることや、パソコンやインターネットといった汎用の情報システムが既に発達しており、また(夢オチではあるが)才人がゼロ戦で日本へ帰還した際、眼下に広がった秋葉原の風景にアニメショップやメイド服コスプレの人物が見られることから、ほぼ現代の日本国と同一のものと考えられる。

また、実際にゼロ戦やタイガー戦車にも勝てない事から、地球とハルケギニアが戦争したら虚無をもってしてもまずハルケギニアに勝目はないだろうと才人は予想している。

ハルケギニアとは少なくとも60年前より繋がりを持っており、場違いな工芸品が多く見つかっていることから、2つの世界は何度も繋がっていることが分かる。

ハルケギニアの住人は元々地球に存在した「マギ族」と呼ばれる魔法民族の子孫である事が明かされた。場違いな工芸品が全て地球から来るのはブリミルが地球人である証拠だという。 そして、聖地とはブリミルの故郷の事、すなわち地球こそが真の聖地であるという。


  1. ^ ただしこの地図は、本文に描写されている距離や位置関係とは整合性が取れてない。
  2. ^ 第4巻第4章 p.134より
  3. ^ アニメ版では2本のラインが入ったねじくれた杖のデザインをしており、これはタバサの杖と同じである。
  4. ^ ロベスピエールは本来ファミリーネームである。一例として、フランス革命期のジャコバン派首領のロベスピエールのフルネームは、マクシミリアン・フランソワ・マリー・イジドール・ド・ロベスピエールである。
  5. ^ トリステインでは法律で平民の領地の購入が禁止されている。作中ではアニエスや才人が貴族の身分を得ているが、彼らには領地は下賜されていない。後に才人はガリア王継戦役の功績から領地を下賜されたが、これは特例とも言える措置である。
  6. ^ ただし緑茶の茶葉などの珍品が、東方産という触れ込みでしばしば世間に流通している。
  7. ^ 現時点では、ハルケギニアの人間に(中近世ヨーロッパのユダヤ人に相当するような)ブリミル教以外の宗教やその信者は登場していない。
  8. ^ 実際の歴史上でも革命の際に軍の士官、特に高級将校が旧体制の支持者とみなされて粛清ないし放逐されることにより軍の練度が著しく低下し、周辺国からの干渉戦争において苦戦を強いられた例は多い。軍事侵攻の目的は革命の理念が周辺国へ波及することを阻止するのが主であるが、軍の弱体化も隣接国に軍事進攻を決断させる一因となるのも事実である。
    代表的一例としてはフランス革命時のフランス革命戦争ナポレオン戦争ロシア革命時のロシア内戦ポーランド・ソビエト戦争イラン革命時のイラン・イラク戦争などが挙げられる。
  9. ^ 竜の巣に逃げ込んだサイトとティファニア、ルクシャナの捕縛のための出動直前に、切込み部隊の指揮官であり党員であるファーティマに対して彼らの抹殺を暗に指示した他、独断でファーティマに艦隊指揮権を預けたうえで少校から上校に昇進させた。
  10. ^ ガリア王ジョゼフが自らの手で弟のオルレアン公シャルルを殺した時も、魔法ではなく毒を塗った弓矢を使用した。
  11. ^ 火薬手工業で作られるらしいので、原料となる硫黄などは軍需物資として重要に扱われる。
  12. ^ 現実に置いても石炭からガソリンを精製することは可能である。詳細は石炭液化の項を参照。
  13. ^ 召喚された時、才人は修理の終わったノートパソコンを受け取って帰宅する途中だった。
  14. ^ 起動した時、偶然にも「世界扉」が開かれていたため。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゼロの使い魔の用語一覧」の関連用語

ゼロの使い魔の用語一覧のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゼロの使い魔の用語一覧のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゼロの使い魔の用語一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS