スーパーロボット レッドバロン 登場人物

スーパーロボット レッドバロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 05:55 UTC 版)

登場人物

SSI

正式名称は Secret Science Institute (科学秘密捜査隊)。現代の忍者と称されるチームで、いずれのメンバーも格闘や射撃などのエキスパートである。与えられた武器は拳銃のみだが、全身機械のメカロボを素手で倒すほどの実力を持つ。彼らは全員、普段は隠れ蓑として別の仕事を持っている。なお、宇宙鉄面党編ではその部分は見られなくなる。

大郷自動車工場にある秘密部屋が本部である。第27話で地球防衛軍の下部組織として再編成され、基地も別の場所に移した。

彼らの訓練は、地雷地帯を車やバイクで突破したり、レッドバロンを仮想の鉄面党ロボットにして、その攻撃の中を突破するという凄まじいものである。

紅 健くれない けん
本作品の主人公でレッドバロンを操縦できる唯一の人間[13]。18歳。4年前に両親と弟を鉄面党に誘拐され、また兄も鉄面党によって目の前で殺されたため、天涯孤独の身の上となる。そういった悲惨な過去を持つにもかかわらず、それにめげずに勇気と優しさを併せ持つ、熱血肌の好青年である。普段は住み込みの修理工として大郷自動車工場で働いていたが[13]、大郷の死とSSIの組織改編によって純粋な隊員となる。27話以降は制服の右肩と袖口が茶色から銀色に変わっている。
松原 真理まつばら まり
SSIの紅一点。18歳。デビラーと戦っていたころは都内の南東通信社の見習いカメラマンを表向きの顔としていた[13]。健と組んで行動することが多いためか、彼には特別な好意を寄せているようである。アイアンホークやスポーツカーを乗り回し様々な格闘技を身につけており、鞭を使った戦闘が得意である[注釈 11]
堀 大作ほり だいさく
SSIのムードメーカー兼コメディリリーフ。19歳。オートバイで活躍する。普段は南東通信社の原稿運びである[13]。大助という小学生の弟がいる。第26話で鉄面党に捕えられた上に、挑発されて怒ったデビラーに奴隷人間(人間爆弾)にされ、仲間に鉄面党の秘密基地の場所を告げて爆死する。
  • 擬斗の高倉英二によれば、コメディリリーフ的な動きは演じる保積ぺぺが高倉の殺陣をさらに膨らませていったと述べている[10]
坂井 哲也さかい てつや
SSIの副隊長格で[要出典]、一見クールに見えるが実は健と同じく熱血漢である。20歳。射撃の腕前は超一流[13]。ジープが好きな大学中退の秀才でもある。デビラーと戦っていたころの表向きの職は自動車のセールスマンだった[13][注釈 12]。牧畜と農家を営む両親がいる。
大郷 実だいごう みのる
SSIのキャップで、ボスと呼ばれる[13]。35歳。温和な性格で皆から慕われているが、「俺の辞書に『休暇』の文字は無い」と公言するほど仕事や任務に対しては非常に厳しく[13]、必要とあらば非情な決定も下す。普段は「大郷自動車工場」という自動車修理工場を経営している[13]。第26話で、苦戦の末にデビラー総統を一騎討ちで倒して大作のブレスレットを取り返すが、負傷で倒れ込んだ際に誤って緊急脱出用のスイッチに触れてしまい、そのまま宇宙鉄面党基地に連行されることを知って自ら爆死を選ぶ。
  • アクションには演じる大下哲矢が得意としていた柔道が取り入れられている[10]
三神 四郎みかみ しろう
第27話より科学技術顧問兼司令官として組織再編したSSIに招かれた。スペースウイングスなどの兵器を開発した科学者ながらオートバイのテクニックや射撃・格闘技も得意という多彩多芸な青年。意外と気さくな性格ではあるが、「『博士』と呼ばれるのは嫌い」という理由で「三神さん」とメンバーに呼ばせている。

警視庁科学捜査課

熊野 一平くまの いっぺい
SSIと親交が深い科学捜査課課長の警察官。階級は警部[13]。サイレン付きの自転車を乗り回しているために子供たちからは「自転車警部(もしくは自転車刑事)」と呼ばれている。予告ナレーションで「ポンコツ刑事」と呼ばれてしまうほどのムードメーカーだが実力者でもあり、鉄面党が送りこんだ刺客の正体をたびたび見抜き、またライフルや身近なものを改造した武器[注釈 13]でSSIやレッドバロンのピンチを幾度か救った。宇宙鉄面党編ではヒッピー風の衣装で潜入捜査を行っていた[注釈 14]
水木 ひかるみずき ひかる
第18話で初登場した熊野警部の部下でフランス帰り[注釈 15]の女性警官。茶道の心得もあり、最終話終盤で野点を披露していた。

鉄面党

世界征服を企む悪の組織。万国ロボット博覧会に出品されていた世界各国の巨大ロボットを強奪、戦闘用ロボットに改造して組織の戦力にした。海底に基地を持つ[15]。後に宇宙鉄面党の地球支部に過ぎなかったことが判明する。第26話で首領のデビラーが死亡したため、組織は壊滅した。

デビラー博士
鉄面党の支配者。かつては高名なロボット工学の科学者だったが本編開始の20年前に突如失踪。その後、鉄面党の総統として姿を現した。右腕は爆破スイッチや超高温に発熱する機能を持つ義手に改造している。人間嫌いで人間を全く信用しておらず、自分の部下は全てサイボーグ、または奴隷人間[注釈 16]に改造している。度重なる失敗で万国ロボット博覧会から奪ったロボットを全て失った上に、エンジェルキリーの登場及び総本部からの最後通告で後がなくなってしまい、キングデビラーを建造。レッドバロンの設計図を奪い、大作に爆弾を埋め込んで爆死させるなど失地回復に執念を燃やすも、第26話で大郷によって倒された。亡骸から彼自身もサイボーグであったことが判明する。
メカロボ
鉄面党の雑兵ロボットで、鎌が武器。第9話では手持ちの鎌で真理のスカートを戦闘中にめくるというセクハラ行為を行うシーンがあった。

宇宙鉄面党

鉄面党の上部組織で、火星に本拠を置くロボット軍団。第23話で初めてその存在が明らかにされた。デビラーを利用して地球征服を企んだが、デビラーの死後は自ら侵略活動を開始した。

ギラスQ
宇宙鉄面党総統。その正体は火星基地の全システムを司るスーパーコンピューター。本体が破壊されてもコンピューターの働きで5分後に次のギラスQが誕生する。いつ誰が作ったのかは一切不明。惑星ミサイル計画を成功させた後に全宇宙征服に乗り出そうとしたが、紅健太郎によって軌道を変えられた惑星ミサイルが火星の本部に命中したことで爆発四散した。
紅 健太郎
第38-39話に登場した、健・健一郎の実父。デビラーに逆らったため妻や三男と共に殺されたと思われたが、脳以外をサイボーグ化されギラスQの洗脳によって宇宙鉄面党技術パートの指揮官と化していた。健には父親としての愛情を示しつつも挑発された際に拳銃によるロシアンルーレットを行ったりしていた。その後ギラスQの惑星ミサイル計画をアシストするもギラスQが一旦破壊されたことで洗脳が解け、レッドバロンと健を援護し宇宙鉄面党の壊滅に貢献。地球に帰還後、火星との気圧差によって人工心臓が異常を起こし、レッドバロンを操縦したいという願いを残したまま健の背中で息絶える。
宇宙鉄面党戦闘員[13][注釈 17]
宇宙鉄面党の戦闘員。レイピアを武器とする、銀色の顔をしたロボット兵士。

その他

堀 大助ほり だいすけ
堀大作の弟で熊野警部と親しい。11歳[13]。林八郎、山田浩、村田ヨシ子という友達がおり、彼らとともに熊野警部の捜査の助力となることもしばしば[13]。第14話のロボターは、元々彼の誕生日プレゼントのために製作されたもの。

注釈

  1. ^ 野口がエンディングに渡辺、斉藤らと共に原案者としてクレジットされているのはこのためで、実質的にはキャラクターデザイナーとしての参加である。
  2. ^ 宣弘社は、日本テレビ側からお蔵入りとなっていた『白獅子仮面』の枠を買い取ることを条件に本作品の制作を持ちかけられ、水曜19時の枠を譲り受けた[7]
  3. ^ 『マジンガーZ』のシリーズで宇宙への飛行が可能になるのは「マジンガーシリーズ」3作目の『UFOロボ グレンダイザー』から。
  4. ^ 擬斗の高倉英二によれば、牧に蹴りを多用させたのは脚本家からの要望であり、下着も見せるためのものを履いていたと証言している[10]
  5. ^ この路線は後に宣弘社が制作するテレビドラマ『闘え!ドラゴン』へと繋がっていった[10]
  6. ^ このCMのパロディがアニメ『ケロロ軍曹』第166話に登場する。
  7. ^ そのため、『ガッチャマン』や『コロボックル』からの流用BGMが使用されている。
  8. ^ これにより宣弘社は5-6千万円の損害を被ったとされる[3]
  9. ^ 小型中性子ロケットエンジン。操縦席の後ろの壁に埋め込まれていて、取り外し可能。
  10. ^ 操縦桿を握って認証する。
  11. ^ 擬斗の高倉によれば、鞭の使用は「真理に武器を持たせよう」という案が出たことによる[10]
  12. ^ 描写は第12話のみ[13]
  13. ^ 浮遊装置として機能する超合金製の傘や、剣と小型大砲が仕込まれた空気入れなど。
  14. ^ 上着は『アイアンキング』で静弦太郎が着ていた後期衣装の流用。
  15. ^ 脚本ではFBIの研修から帰国したという設定であった[13]
  16. ^ デビラーの遠隔操作で爆発できる爆弾を埋め込み、文字通り奴隷として酷使させる人間。拉致したロボット工学の科学者は全て奴隷人間にしている。
  17. ^ DVD『レッドバロンフォトニクル』では宇宙鉄面党戦斗員と表記[16]。書籍『全怪獣怪人 上巻』では、名称を宇宙鉄面党ロボット兵と記載している[17]。脚本では遊星人という名称であった[16]
  18. ^ 1・2話は紅健一郎、3・4話は紅健一郎を模したアンドロイドとして出演。
  19. ^ a b 当時のレコード表記はと感嘆符が2つである。
  20. ^ これまで発売されていたCDには、左チャンネルから聞こえるはずのストリングスが聞こえないヴァージョンが収録されていた(「懐かしの特撮ヒーロー大全(5)」(東芝EMI)や、「1970's 特撮ヒーロー主題歌・挿入歌大全集 II」(コロムビア)など)。
  21. ^ カッコ内の国名は、そのロボットが制作された国。
  22. ^ ビデオリサーチ・関東地区[18][19]
  23. ^ 書籍によっては、名称を豪竜と記載している[20][21]
  24. ^ 着ぐるみはエレキアマゾンの改造。
  25. ^ 本作のプロデューサーを務めていた上村宏と、日本現代企画の社長職を務めていた小林哲也による、合作用のペンネームである。

出典

  1. ^ a b 巨大ヒーロー大全集 1988, pp. 146、228.
  2. ^ a b c d 石橋春海 2014, pp. 86–87, 「1973 スーパーロボット レッドバロン」
  3. ^ a b c d e f 石橋春海 2014, p. 113, 「インタビュー 小林隆吉 宣弘社代表取締役社長」
  4. ^ a b c d 全怪獣怪人 上 1990, p. 215
  5. ^ a b c d e f 宇宙船SPECIAL 1998, p. 114
  6. ^ 巨大ヒーロー大全集 1988, p. 146.
  7. ^ フォトニクル 2014, p. 76, 「前番組『白獅子仮面』」.
  8. ^ a b 双葉社発行:『シルバー仮面 アイアンキング レッドバロン大全 宣弘社ヒーローの世界』[要ページ番号]
  9. ^ フォトニクル 2014, p. 47.
  10. ^ a b c d e f g 宣弘社フォトニクル 2015, pp. 44–47, 「インタビュー高倉英二
  11. ^ マーチャンダイジングライツレポート1994年8月号
  12. ^ 岩佐陽一 2001, pp. 134–137, 「RESPECT 田村正蔵」.
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 岩佐陽一 2001, pp. 150–151, 「スーパーロボット レッドバロン MAIN CHARACTER FILE」
  14. ^ 特撮全史 2016, p. 54-55, 「スーパーロボット レッドバロン」
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 岩佐陽一 2001, pp. 152–153, 「スーパーロボット レッドバロン 超兵器図鑑」
  16. ^ a b フォトニクル 2014, p. 59, 「鉄面党・宇宙鉄面党の総統と戦闘員」
  17. ^ 全怪獣怪人 上 1990, p. 219.
  18. ^ 岩佐陽一 2001, p. 177, 「スーパーロボット レッドバロン ON AIR LIST」.
  19. ^ フォトニクル 2014, p. 77, 「番組データ」.
  20. ^ 全怪獣怪人 上 1990, p. 217.
  21. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 143.
  22. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1973年(昭和48年)9月、テレビ欄。
  23. ^ 東奥日報 1974年9月テレビ欄。
  24. ^ 河北新報』1973年7月4日 - 1974年3月27日付朝刊、テレビ欄。
  25. ^ 『河北新報』1973年9月6日付朝刊、テレビ欄。
  26. ^ 『河北新報』1974年9月5日 - 11月8日付朝刊、テレビ欄。
  27. ^ 福島民報』1973年7月4日 - 1974年3月27日付朝刊、テレビ欄。
  28. ^ 『福島民報』1974年6月11日 - 1975年3月4日付朝刊、テレビ欄。
  29. ^ 新潟日報 1973年10月テレビ欄。
  30. ^ 信濃毎日新聞』1973年9月12日付朝刊、テレビ欄。
  31. ^ 『信濃毎日新聞』1974年1月16日付朝刊、テレビ欄。
  32. ^ 山梨日日新聞 1973年10月テレビ欄。
  33. ^ 中日新聞 1973年7月テレビ欄。
  34. ^ 京都新聞 1973年7月テレビ欄。
  35. ^ 山陰中央新報 1973年7月テレビ欄。
  36. ^ 山陽新聞 1973年7月テレビ欄。
  37. ^ 中国新聞』1974年9月 - 1975年6月テレビ欄
  38. ^ 愛媛新聞 1974年6月テレビ欄。
  39. ^ a b 熊本日日新聞 1973年11月テレビ欄。
  40. ^ 大分合同新聞 1973年7月テレビ欄。
  41. ^ 大分合同新聞 1973年10月テレビ欄。
  42. ^ 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、111頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  43. ^ a b c 岩佐陽一 2001, p. 178, 「スーパーロボット レッドバロン VISUAL SOFT CATALOG」
  44. ^ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、66頁。雑誌コード:01844-04。 
  45. ^ BD レッドバロン / ベストフィールド”. 2023年9月22日閲覧。
  46. ^ a b c 巨大ヒーロー大全集 1988, p. 152.
  47. ^ a b c d e 岩佐陽一 2001, p. 144, 「シルバー仮面 アイアンキング スーパーロボット レッドバロン コミカライズの世界」
  48. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, pp. 146–147, 平井幸夫「70年代スーパーヒーローコミックリスト」






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