シーチキン 概要

シーチキン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 17:37 UTC 版)

概要

  • 原料となる魚は、ビンナガキハダカツオ
  • 調理法は大きく分けると2種類で、油漬け(油とスープに漬けたタイプ)と水煮(油を使わずにスープと水で調理したタイプ)がある。水煮の一種で食塩・油を一切使わず天然水のみで調理した「食塩・オイル無添加」タイプもある。油漬けの油は上級品が綿実油、普及品が大豆油を使用している。
  • 身の形状は大きく分けると3種類で、ソリッドタイプ(身が塊になっているタイプ)、チャンクタイプ(身が大きくほぐれているタイプ)、フレークタイプ(身が細かくほぐれているタイプ)がある。
  • 「加工食品品質表示基準」に基づき原料・調理法・形状と缶に表記されている。
  • 身がほぐれやすく調理に使いやすいため、サラダの具、サンドイッチの具、手巻き寿司の具、おにぎりの具など様々な料理に利用される。

歴史

マグロ油漬け缶詰は、1903年にアメリカ合衆国のアルバート・P・ハーフヒル(en:Albert_P._Halfhill)によって発明され、たちまち海の鶏肉 Chicken of seaとして人気商品となり、1914年アメリカにChicken of the seaというマグロの油漬け缶詰会社が誕生した。日本でも各地の水産試験場において研究が進められたが、なかなか高品質の製品を送り出すには至らずにいた。

1929年に、静岡県水産試験場の技師・村上芳雄が開発した製品が、日本におけるマグロ油漬け缶詰の最初の成功例である。村上技師が焼津水産学校(現在の静岡県立焼津水産高等学校)で最終試製を行い製造されたマグロ油漬け缶詰は、「富士丸ブランド」のラベルを貼り付けられて、アメリカ合衆国に輸出された。静岡水試は各地の缶詰業者にマグロ油漬け缶詰の製品化を提唱し、それにまっ先に名乗りを上げたのが清水食品である。

清水食品は翌1930年に、9,800箱にものぼるマグロ油漬け缶詰を対米輸出した。この成功を受け、1931年にははごろもフーズの前身である後藤缶詰も、製造を始めた[1]

第二次世界大戦後、後藤缶詰はこの缶詰の供給先をいち早く輸出から日本向けに転向させたため、シーチキンの商品名は日本において『マグロ油漬けの代名詞』になるまでに広まり、ツナ缶詰一般を「シーチキン」と呼ぶことも多い[1]。シーチキンの生みの親は、二代目社長の後藤磯吉(二代目)[注釈 1]である[2]

その他

  • 日本国内のツナ缶市場において、はごろもフーズのシーチキンは商標である。「シーチキン」の商標登録は1958年
  • シーチキンブランドのツナ缶詰は、日本国内で5割以上のシェアを占めている[3]
  • 主としてコンビニで売られているツナマヨとよばれるおにぎりは、シーチキンと通称されることもある。はごろもフーズの製品ではないが、同社の商標が一般名詞化していることをうかがわせる(正式商品名として「シーチキン」の名称を含むものははごろもフーズの製品を使用)。
  • はごろもフーズ以外のメーカーによる同種の商品として、いなば食品の「いなばライトツナ」やホテイフーズコーポレーションの「ツナカル」、清水食品の「ホワイトツナ」などがある。これらはシーチキン(商標)ではないが、しばしば同名で呼ばれる。
  • ツナ缶詰の日本国内での主な生産地は静岡県であり、公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会の発行する缶詰時報によると、ツナ缶詰の生産量(トン)で静岡県内の企業のシェアは95%以上に達する。上に挙げたはごろもフーズ、いなば食品、ホテイフーズコーポレーション、SSKフーズはすべて静岡県静岡市清水区[注釈 2]の企業である。
  • 静岡県に次いで生産量の多いのは宮城県である[注釈 3]が、東日本大震災によって宮城県内メーカーである気仙沼ほてい(ホテイフーズ系列、気仙沼市)、ミヤカン(鈴与・SSKフーズ系列、気仙沼市)、三洋食品石巻工場(石巻市)などが津波による壊滅的被害を受け軒並み操業を停止したため、震災翌年の統計では生産量が激減している。

注釈

  1. ^ 後藤磯吉は2名おり、創業者・初代社長と、二代目社長の、2名である[1]
  2. ^ ホテイフーズコーポレーションのみ旧蒲原町内、他は旧清水市内。
  3. ^ 静岡県と宮城県の合計で国内の全生産トン数とほぼ一致する。

出典






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