シュコダ・オクタヴィアWRC シュコダ・オクタヴィアWRCの概要

シュコダ・オクタヴィアWRC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/26 07:27 UTC 版)

Škoda Octavia WRC
カテゴリー ワールドラリーカー
コンストラクター シュコダ・モータースポーツ
デザイナー ディトマー・メトリッヒ
後継 シュコダ・ファビアWRC
主要諸元[1][2][3]
全長 4,511mm
全幅 1,770mm
全高 1,429mm
トレッド 1,585mm
ホイールベース 2,512mm
エンジン 1,984 直列4気筒 ターボ(ギャレット製)
フロント横置き
トランスミッション ヒューランド製 6速シーケンシャル
四輪駆動
重量 1,230kg
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム シュコダ・モータースポーツ
ドライバー
初戦 1999年ラリー・モンテカルロ
出走優勝表彰台タイトル
49010
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概要

WRCでは小排気量クラスで活動していたシュコダだが、1994年にF2規定で行われるW2L(2.0Lワールドカップ)において、マニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。そして1997年ラリー・フィンランドでデビューしたオクタヴィア・キットカーを濫觴とし、1999年WRC開幕戦ラリー・モンテカルロでシュコダのWRカーデビューを飾ったのが本車である。改良ごとに「EVO 2」、「EVO 3」の名前がついた。

当時の首脳は「世界のトップメーカーたちに混じって戦うだけでシュコダのイメージは引き上げられる」と語っており[4]、予算は不十分でベース車両も市販車の事情とは言え全WRカー中最も長い全長のオクタビアを採用するなど、体制面的には勝利への執念を感じられるものとは言い難かった。また「チェコ人は人件費が圧倒的に安くて済む(日本円で7万円程度)」という理由で大多数のスタッフがチェコ人であったが[5]、彼らのほとんどが英語ができず、コミュニケーションでのミスも頻発した。しかし現場の士気は決して低くなく、チェコ人テクニカル・ディレクターのディトマー・メトリッヒの指揮の下にハードワークをこなした。

2001年サファリラリーアルミン・シュヴァルツが3位表彰台を得たのが最高位記録で、優勝こそできなかったもののドライバーからの評判は悪くなかった。今もシュコダに所属するトニ・ガルデマイスターは、歴代のシュコダのラリーカーで一番のお気に入りにオクタヴィアWRCを挙げている[6]。また歴代WRカー随一の巨大ボディをコーナーで大胆に振り回す様は、ファンからの人気も高い。

メカニズム

オクタヴィアWRC

開発の多くにプロドライブが関わり、スバル・インプレッサWRCと共通点が見られる。

同一グループのセアト・コルドバWRCと同じエンジンブロックを持つフォルクスワーゲン製のエンジンを採用するが、セアトとは異なり特例でWRカーで唯一の5バルブ ヘッドを持つ。最大出力は296bhp/6,250rpm、最大トルクは501N·m/3,250rpmを発生。最初はフォードの契約を失ったマウンチューン社が格安でチューニングを担当。EVO3モデルのエンジン開発にはリヒテンシュタインのエンジンチューナー、リーマンが関わり、最高出力は300bhp/5,500rpm、最大トルクは600Nm/3,250rpmに向上している。ただし開発上の手順の混乱から、WRカーで認められている傾斜配置がされていない。

6速シーケンシャルシフトはヒューランド製。油圧式アクティブデフ(フロント、センター)はプロドライブ製。リアデフのみ機械式。サスペンションは前後ともマクファーソン・ストラット。ダンパーは最初はプロフレックス製で、2002年からフォードとの独占契約を失ったレイガー製に切り替えている。

車体サイズは4,511×1,770mm、ホイールベースは2,512mm。車重はミニマムの1,230kg。また、当時は規定で禁止だったリヤドアの加工も特例という形で認めさせている


  1. ^ Škoda Octavia WRC”. juwra.com. 2021年1月20日閲覧。
  2. ^ Škoda Octavia WRC Evo 2”. juwra.com. 2021年1月20日閲覧。
  3. ^ Škoda Octavia WRC Evo 3”. juwra.com. 2021年1月20日閲覧。
  4. ^ 『AUTO SPORT(オートスポーツ) No.790 2000年2月17日号』P18 三栄書房刊
  5. ^ 『WRC PLUS 1999 Vol.2』P43
  6. ^ シュコダ・ファビアの歴代ラリーカーを振り返る:トニ・ガルデマイスター/ヤン・コペッキー
  7. ^ 『WRC PLUS 1999 Vol.1』P43


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