コルベール (防空巡洋艦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:47 UTC 版)
機関
機関はボイラー2基にタービン1基を組み合わせた物を1つのユニットとし、これを前後に組み合わせたシフト配置とした。
1972年の改装
本艦は1972年にミサイル巡洋艦へと改装を受け、武装を更新した。主砲は新設計の「Model 1968 10cm(55口径)自動砲」へと更新された。その性能は13.5kgの砲弾を仰角45度で17,260m、仰角80度で12,000mの高さまで届かせることが出来た。この砲を新設計の単装砲塔に収めた。俯仰能力は仰角80度・俯角5度である。旋回角度は左右150度の旋回角度を持っていた。主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に電力で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は毎分60~78発である。これを艦首甲板上に背負い式で2基を配置した。
他に主砲の補助として「Model 1951 5.7cm(60口径)機関砲」を連装砲架で片舷3基ずつ計6基を配置した。更に対空火器として「マズルカミサイル(Masurca)」を連装型発射機で艦尾に1基を装備した。更に1982年にエグゾセ対艦ミサイルを単装発射機で4基が追加された。
艦尾側の備砲を全撤去したために艦尾甲板上にはヘリコプター甲板となり1機が露天で置く事ができた。
艦歴
1956年から1991年までフランス海軍に在籍した。その間、ユベール・リオテー元帥(Hubert Lyautey、1934年没後モロッコに埋葬)の遺体をモロッコからフランスへ運んだり、シャルル・ド・ゴール大統領の1964年の南米歴遊や1967年のモントリオール万博に合わせたカナダ歴訪に利用されたりと外交上重要な役割を果たした。
しかし一度も砲門を開くことなく、1991年に湾岸戦争派遣から帰国後に退役し1993年からボルドーの河岸で博物館船として保存利用された。しかし市の財政難により2006年に博物館は閉館し、船体はブレスト停泊地に回航された。
2016年にジロンド県バッサンスに回航され、同地にて解体工事が行われた。
参考図書
- 「世界の艦船増刊 フランス巡洋艦史」(海人社)
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