ガッデム ガッデムの概要

ガッデム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 09:13 UTC 版)

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ガッデム-Goddamn-
ジャンル モータースポーツラリードラマ
漫画
作者 新谷かおる
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスペリオール
レーベル ビッグコミックス
発表期間 1988年 - 1990年
巻数 全5巻
文庫版は全4巻
OVA
原作 新谷かおる
監督 古瀬登
キャラクターデザイン 古瀬登
アニメーション制作 スタジオシグナル
製作 生明俊雄、仙田勇
発売日 1990年4月27日
話数 全2話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

概要

本作は、『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で1988年から1990年まで連載された。単行本は全5巻、文庫版(スコラ漫画文庫シリーズ版、MFコミックス版)は全4巻が刊行されている。

多くのモータースポーツ漫画は、舗装されたサーキット公道を走行しタイムを競う華やかなものを題材にする場合が多い(新谷作品でも二輪の『ふたり鷹』やCARTF1の『ジェントル萬』などが、車種の違いはあるもののこれに該当する)が、本作では連載当時にはまだ日本ではそれほど一般に知られた存在ではなかったラリーWRC)を題材としている。作中でも言及されているように、日本においてはラリーとは一般的にパリ・ダカール・ラリーのような不整路レースと認識している人が多いが、本作ではスタート地点とゴール地点が違うものをラリーレイドと呼び、スタート地点がゴールとなるものをラリーと定義づけている。本作の主題には、この定義をなぞらえたラリーが題材として取り上げられている。この定義(行ったものが帰ってくる)は日本を飛び出した主人公に、親元に帰ってくるように進言する姉の台詞にも引用され、登場人物の出自や社会的立場、企業内での駆け引き、軋轢などもラストシーンに描写されたように“人生もラリーフィールドの様に過酷な道のりの連続である”と、登場人物の生き様も競技になぞらえて描かれている。

また、本作はモータースポーツ漫画であると同時に企業内部で働く人間のさまざまな思惑、企業間での駆け引き、ラリーを通じて車の宣伝を行う企業側の論理など、場面によっては企業そのものがクローズアップされていることも大きな特徴である。そのため主人公は所属チームの解散や移籍、新体制の擁立、経営判断によるレースの中断など、企業の思惑に振り回されながらラリーを走っていくことになり、また企業側の登場人物たちもラリーの結果に翻弄されながら各々の目的を果たすために奮闘する姿が描かれ、誰一人として思うがままにはいかないでいる。これもまた、最終的には前述の「人生もラリーのようなものだ」という本作のテーマへと繋がっていく。

あらすじ

うだつの上がらないラリードライバー、轟源。モンテカルロラリーでリタイヤを喫しパリへ戻ってきた彼の前に、六甲寺司と名乗る男が現れる。六甲寺は、自分の会社・聖王グループが新しく立ち上げるラリーチームのドライバーとして、源を起用したいと申し出る。六甲寺のテストを資産家ポリニャック家の令嬢コティを同乗させるなど数々のトラブルに見舞われながらも完走し、晴れて聖王ラリーチームの一員となった源は、サファリラリー優勝を目指してフォード・シエラを駆り、ナビゲーターのロヴとともにアフリカの大地を疾走する。数々のアクシデントを乗り越えて聖王ラリーチームは初出場で出走した2台とも入賞を果たすが、ゴールで待っていたものは、聖王グループ内の権力争いの結果、チーム解散という衝撃的な事件であった。

源はサファリラリーで知り合った三沢自動車の間(はざま)からチーム参加を誘われており、今後のWRC参加のために仕方なくドライバーとナビゲーターのお買い得セットとして三沢自動車に自らを売り込んだ。そこで間から、マイナーチェンジが迫っているラレードGTI(三沢自動車が販売する架空の自動車)をエントリーさせ、好成績を出して安上がりの販売促進をさせる話を持ちかけられた。しかもお買い得セットとして売り込んだため、採用条件は宿泊・食費は自分持ち、クラス3位・総合10位以内でないと金は出せないというものであった。源はラレードの基本性能の高さに気付き、市販車、しかもATでのオリンパスラリー参加を提案する。オリンパスラリーでは大馬力ゆえにパンクに泣く他車を尻目に、軽量で適度な馬力のラレードは快進撃を続け、ついに総合2位に入賞する。

しかし、この結果は逆にラレードの過剰品質を露呈することとなった。ラレードの注文は殺到したが、対米輸出規制枠のために新車の販売が困難となり、三沢自動車の経営は逆に窮地に追い込まれる。この危機を解決すべく、三沢自動車の会長の娘であり企画開発部部長の三沢沙也子はラレードの販売終了を決断。さらに手弁当で運営していたラリーチームを再編成して監督に就任、新型のレベッカを投入し三沢ワークスとしてWRCに参戦することを決めた。聖王ラリーチームで共に戦ったシン・ディック組も仲間となり、新生三沢ワークスは2月の酷寒のスウェディッシュラリーに出場。氷に覆われたコースに雪や低温による凍結で起きるオーバーヒートなど寒冷地特有のトラブル、重要部品の損傷や予備パーツの喪失に悩ませられながらも走りぬき、一時はリタイアかと思われる状況を覆して、ついにはクラス優勝を果たす。

勝利に沸く三沢チームの姿を他所に腹違いの姉である新堂雪から食事に誘われた源は、人生の過酷さをスタートからゴールまで行って帰ってくるラリーに例えて、故郷へ帰ってくるよう促される。そしてロブからコティが自分へ思いを寄せている事を伝えられた源は、知っているよと言って笑い、新たなラリーに向けてアクセルを踏み込むのだった。




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