カラフトシシャモ 利用

カラフトシシャモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 17:45 UTC 版)

利用

焼いたカラフトシシャモ

日本へは、ノルウェー、アイスランド、カナダから生干し加工後に冷凍したもの年間約3万トンが輸入され、スーパーや居酒屋などで「子持ちシシャモ」として販売されている。

1970年代以降、シシャモの代用魚として輸入が急増したが、資源量に大差があることから「シシャモ」といえば本種を指し、シシャモは「本シシャモ」などと呼ばれるようになった。 2003年農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律改訂にともなう販売表示の厳格化を受けた行政指導[4]により、原材料名にはカラフトシシャモと表記される様になったが、商品名は対象外。 また、塩漬けの魚卵が「シシャモッコ」、「真砂子(まさご)」の名でとびこと同様に利用されている。

世界的には大西洋北東海域のタラ資源のベースとして重要視され、ニシンとともにノルウェーロシアによって資源管理されている。 魚粉・魚油が養殖魚用のエサとして、また魚卵を加工したワサビキャビア(wasabi caviar)が販売されている。カペリン自体は美味な魚であるが、鵡川漁協などの本シシャモ産地では邪魔者扱いされている。食味は本ししゃもと大きく異なるが、姿は両者とも非常に似ていることもあって漁師以外では外見だけで見分けるのが困難であり、また本シシャモの味を知らない人が多いことから、食品偽装の対象となるケースもある。

乱獲

カラフトシシャモの漁獲量推移(FAO), 1950–2010[5]

和名の通りオホーツク海にも回遊してきているが漁獲量の統計はなく、輸入品が流通している。 シシャモはメスだけでなくオスも利用される(むしろ高値が付くこともある)が、カラフトシシャモの場合は商品価値が無いオスは廃棄される。これは、日本の商社が、日本人には魚卵のプチプチとした食感が喜ばれるとしてメスを要求したためであり、オスは日本国内ではほとんど流通していない。現在、乱獲による資源枯渇が危惧され、漁獲制限が行われている。


  1. ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006). "Mallotus villosus" in FishBase. April 2006 version.
  2. ^ Barbaro1 A, Einarsson B, Birnir1 B, Sigurðsson S, Valdimarsson S, Pálsson ÓK, Sveinbjörnsson S and Sigurðsson P (2009) "Modelling and simulations of the migration of pelagic fish" Journal of Marine Science, 66(5):826–838.
  3. ^ カナダの東海岸では、これを網で捕らえる遊びが初夏の風物詩となっている
  4. ^ 魚介類の名称のガイドラインについて 別表2 海外漁場魚介類及び外来種の名称例”. 水産庁. 2015年8月30日閲覧。
  5. ^ Mallotus villosus (Müller, 1776) FAO, Species Fact Sheet. Retrieved April 2012.


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