のっぺらぼう
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 09:12 UTC 版)
類例
- ぬっぽり坊主(ぬっぽりぼうず)
- 与謝蕪村の『蕪村妖怪絵巻』にあるのっぺらぼう。京都市の帷子辻に現れたとされ、雷のようにひかる目が尻についているのが特徴[10]。水木しげるの著作などでは「尻目」と表記され、人に会うと服を脱いで全裸になると解説されている[11][12]。
- 白坊主、黒坊主、ぬっぺふほふ
- 各項目を参照。
- 目も鼻もない女鬼(めおに)
- 名前については不明だが、『源氏物語』「手習」の記述に、「昔いたという目も鼻もない女鬼(めおに)~」といった記述があり、のっぺらぼうの源流と見られる妖怪の存在(顔のない鬼)が古代末から言い伝えられていたことが分かる(少なくとも平安時代中期の近畿圏でそうした怪異が知られていた)。記述の内容からも当時は口があったものとみられる。
- 時代は下って、『遠野物語』内の記述にも、「旅人が目鼻もないのっぺりとした子供に赤頭巾をかぶせたのを背中におぶって通りかかった」とあり、のっぺらぼうの伝承には、口のあるタイプがあり、このことからも西日本から東北地方にかけて、のっぺらぼうの類は、目鼻がないとしか記述されていないことが分かる。
- お歯黒べったり
- 外観は前述の目も鼻もない女鬼に類似するが、関係は不明。
- ケナシコルウナルペ
- アイヌに伝わる妖怪。前述の目鼻もないタイプとは異なり、目と口がなく、鼻のみの怪女で、顔面は黒いとされる。
比喩
凹凸がなく、すべすべした物体(卵など)の形容にも用いられる。また、自分の考えや主義主張を持たない無個性な人物の形容にも用いられることがある。
脚注
- ^ 『のっぺらぼう』 - コトバンク
- ^ 村上健司編著『日本妖怪大事典』角川書店〈Kwai books〉、2005年、255頁。ISBN 978-4-04-883926-6。
- ^ 高古堂小幡宗佐衛門 著「新説百物語」、太刀川清校訂 編『続百物語怪談集成』国書刊行会、1993年、216頁。ISBN 978-4-336-03527-1。
- ^ 編著者不詳 著「曾呂利物語」、高田衛編・校注 編『江戸怪談集』 中、岩波書店〈岩波文庫〉、1989年、63-65頁。ISBN 978-4-00-302572-7。
- ^ 山川隆平. “民間伝承 26巻2号 船場怪談”. 怪異・妖怪伝承データベース. 国際日本文化研究センター. 2010年8月21日閲覧。
- ^ 北條令子「海と山の妖怪話」『香川の民俗』通巻44号、香川民俗学会、1985年8月、7頁。
- ^ 實吉達郎 『中国の鬼神 天地神人鬼』2005年 新紀元社 334頁~336頁
- ^ 『日本妖怪大事典』、188頁。
- ^ 京極夏彦、多田克己編著『妖怪図巻』国書刊行会、2000年、152頁。ISBN 978-4-336-04187-6。
- ^ 湯本豪一編著 『妖怪百物語絵巻』 国書刊行会、2003年、108-109頁。ISBN 978-4-336-04547-8。
- ^ 水木しげる『カラー版 妖怪画談』岩波書店、1992年、142-143頁。ISBN 4-00-430238-2。
- ^ 水木しげる『決定版日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』講談社〈講談社文庫〉、2014年、380頁。ISBN 978-4-06-277602-8。
品詞の分類
名詞および形容動詞(外見) | 固太り 血太り のっぺらぼう ずんべらぼう 毛むくじゃら |
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