し 発音に関わる諸事項

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 03:00 UTC 版)

発音に関わる諸事項

  • 上代の「し」は [t͡si̞][t͡ʃi̞][ʃi̞] いずれとも論じられているが、確定しがたい。室町時代末には [ʃi̞] と発音された[1]
  • や行の文字を後続させて、開拗音を構成及び表記する。「しや」「しゆ」「しよ」などの字音表記は平安時代中期以前にも見られるが、「シアク」などの表記もあり、一音節の拗音であるかは定かでない。鎌倉時代には「しゆう」と「しう」「しふ」、「しよう」と「せう」「せふ」の間の混同が見られ、この頃には「しゅう」「しょう」の拗長音が成立していたと考えられる。「しゃう」は室町時代末には「しゅう」「せう・せふ」の類に近づき、江戸時代には発音上区別が無くなった[1]
    • 現在の拗音表記では、後続するや行の文字は一般に小さく書く。
  • さ行の中で唯一調音点が異なっている。「さ、す、せ、そ」と同じ調音点で発音すると[si̞]となるが、これは日本語にはない音であり、対応する文字もない。外来語などに用いる際は「スィ」と表記される。訓令式ローマ字表記の「si」も、「すぃ」と発音される事がある。
    • 「し」の調音点は、拗音の「しゃ、しゅ、しょ」と同じであり、音声学に即するなら「しゃ行に属する」と言える。「しゃ、し、しゅ、シェ、しょ」は国際音声記号では、[ʃä/ɕä], [ʃi̞/ɕi̞], [ʃɯ̹˕/ɕɯ̹˕], [ʃe̞/ɕe̞], [ʃo̜ ̞/ɕo̜ ̞]と表せる。ヘボン式ローマ字表記の「shi」も、この発音に従った物である。

  1. ^ a b 日本国語大辞典』(第2版)小学館、2001年。 


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