work functionとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > コンピュータ > 画像技術用語 > work functionの意味・解説 

仕事関数

読みしごとかんすう
英語:work function

温度0°Kで固体中の自由電子1個を物質外に引き出すに必要なエネルギー電位差(V)で表わしたもの真空中電子のエネルギー準位として測ったフェルミ準位エネルギー絶対値である.

仕事関数

【英】:work function

固体中から1個の電子取り出すのに必要なエネルギーのこと。

関連する用語

説明に「仕事関数」が含まれている用語


仕事関数

(work function から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/24 09:20 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

仕事関数(しごとかんすう、: work function)は、物質表面において、表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーのこと。

定義

電子が N + 1 個ある表面系の基底状態の全エネルギー(場合により自由エネルギー)を Etot(N + 1)とする。 表面上の空間は真空であるとすると、系全体のエネルギーはEtot(N + 1)である。 ここで、この表面系から電子を1個無限遠方まで取り出し、電子がN 個になったときを考える。 N個の電子からなる表面系の基底状態の全エネルギーを Etot(N) とし、無限遠方にある電子状態を真空準位 V(∞)とすると、系全体としてはEtot(N) + V(∞) となる。 よって仕事関数 W は、次のように書ける。

性質

化学ポテンシャルをμとすると、N が十分大きければ、であるため、次のように表せる。

温度が絶対零度 (T = 0 K) なら、

となり(εFフェルミ準位)、仕事関数は真空準位とフェルミ準位とのエネルギー差となる。表面から電子を取り出す場合、それは熱(→熱電子)であったり、光の吸収や原子、イオンなどの衝突などによって電子が励起されて飛び出してくる。飛び出す電子はいろいろなエネルギー準位から出てくるが、仕事関数は定義によりその中で最小のものとなる。従って真空準位とフェルミ準位 (T = 0 K) との差が仕事関数となる。表面の電子状態がバンドギャップを持つ場合は、バンドギャップ中にあるフェルミ準位と真空準位とのエネルギー差が仕事関数となる。

真空準位は常にフェルミ準位より高いところにある。真空準位がフェルミ準位より低くなること(つまり負の仕事関数)は、表面から(何の励起もなく)自発的に電子が出て行くことになりあり得ない。

金属元素表面での仕事関数の値は、およそ2–6 eV程度である。金属単体として最も仕事関数が小さいのはセシウムで、1.93 eVである。

仕事関数の値は、表面における原子の種類、面の方位や、構造、或いは他の原子が吸着していることなどに強く依存する。これは別の言い方をすれば、仕事関数は表面の電子状態に強く依存している量である。その意味で、仕事関数は表面の研究において非常に重要な物理量の一つである。

実験的には、ケルビン法(振動容量法)、熱電子放出や光電子放出実験などで測定される。

電気陰性度との関係

ポーリングの電気陰性度χ とすると、いろいろな単体元素表面の仕事関数と χ には次のような相関関係がある(単位はeV)。

勿論、実際の値にはばらつきがあり、上式にあまり当てはまらないものもある。

熱電子放出と仕事関数の関係

熱電子放出強度をIとすると仕事関数Wとは、

の関係が成り立つ。α は適当な定数、T は温度、k はボルツマン定数。この関係から、熱電子放出強度とその温度依存性を測定すれば仕事関数を求めることができる。

参考文献

単体元素の仕事関数に関しては、以下の文献にまとめられている。

関連項目


「work function」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「work function」の関連用語

work functionのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



work functionのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日本画像学会日本画像学会
Copyright (C) 2025 The Imaging Society of Japan All rights reserved.
日本電子株式会社日本電子株式会社
Copyright(C)1996-2025 JEOL Ltd., All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの仕事関数 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS