サン・マルコ湾から見た埠頭とは? わかりやすく解説

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サン・マルコ湾から見た埠頭

(the molo から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/03 00:28 UTC 版)

 

『サン・マルコ湾から見た埠頭』
フランス語: Le Môle, vu du bassin de San Marco
英語: The Molo, Seen from the Bacino di San Marco 
作者 カナレット
製作年 1730年代
種類 キャンバス上に油彩
寸法 47 cm × 81 cm (19 in × 32 in)
所蔵 ルーヴル美術館パリ

サン・マルコ湾から見た埠頭』(サン・マルコわんからみたふとう、: Le Môle, vu du bassin de San Marco: The Molo, Seen from the Bacino di San Marco)は、18世紀イタリアの画家カナレットが1730年代にキャンバス上に油彩で制作した風景画で、10点ほどある同様の光景を表した作品のうちの1つである[1]。1949年に寄贈されて以来[1]パリルーヴル美術館に所蔵されている[1][2]

背景

16世紀に黄金時代を迎え、ティツィアーノティントレットヴェロネーゼらの巨匠を輩出したヴェネツィア派の芸術は、17世紀には有力な画家を生むことはなかった。しかし、18世紀にふたたび華やかさを取り戻しており、その中で、カナレットやフランチェスコ・グアルディヴェネツィアの都市景観「ヴェドゥータ」を描いて有名であった[3]。ヴェドゥータは、ヴェネツィアに観光にやってきた外国人旅行客が帰国する時の絵葉書、お土産代わりに購入された[3]

作品

2017年のサン・マルコ湾
フランチェスコ・グアルディ昇天祭の日にリード島に出航するブチェンタウロ』 (1775-1780年)、ルーヴル美術館

この絵画は、サン・マルコ湾から見る埠頭ドゥカーレ宮殿 (中央)、ピアッツェッタ (宮殿左側の広場)、旧図書館の後ろにある鐘楼を表している。この眺めは、カナレットが描いたヴェネツィアの景観の中でも最も魅力的なものかもしれない。画家は細密な筆触であらゆる細部を描写し、その場所特有の空気を巧みに捉えている[2]

カナレットは実物をそのままキャンバスに描いたのではなく、素描から描き起こしたとされる。しかし、場面は、スナップショットと見紛う出来栄えである[2]。それは、前景にゴンドラや貨物船が詳細にクローズアップで描かれていることが一因と考えられる。まるで、カナレットがゴンドラに乗って、この光景を描いたに違いないと感じさせるのである。この印象を与える別の要因は賢明な光の用い方で、画中の建築物は、淡い灰色の霧が空から降りてきたかのような、穏やかな光に包まれている。それは、ヴェネツィア特有の霞んだ大気を思わせる[2]

桟橋につながれ停泊している船の間に、大きな金茶色のドージェ (総督) 用の屋形船ブチェンタウロが見える。ドゥカーレ宮殿、ゴンドラだけでなく、ブチェンタウロも微かに揺れる水面に映っている[2]

上述のように、本作には、同様の光景を描いた別のヴァージョンが10点ほど現存している。その中で、最も本作に類似しているのは、ウフィツィ美術館 (フィレンツェ) にある作品である[1]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c d Le Môle, vu du bassin de San Marco”. ルーヴル美術館公式サイト (フランス語). 2026年1月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e 『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、2011年、191頁。
  3. ^ a b 『NHKルーブル美術館V バロックの光と影』、1985年、56頁。

参考文献

外部リンク




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