n = 3:オイラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:31 UTC 版)
「フェルマーの最終定理」の記事における「n = 3:オイラー」の解説
レオンハルト・オイラーは1753年にクリスティアン・ゴールドバッハへ宛てた書簡の中で n = 3 の場合の証明法について言及し、1760年に純初等的で完全な証明を得た。さらに、1770年に刊行した著書『代数学』(Vollständige Anleitung zur Algebra)ではその証明とは異なり(複素数を用いる)エレガントながら不完全な証明を公開した。ただし、この2番目の証明は虚数のレベル、具体的には a+b√−3 の形の数まで因数分解を行ったもので、現代の言葉で言えば、整数環 Z [ − 3 ] {\displaystyle \mathbb {Z} [{\sqrt {-3}}]} で因数分解を行うものであったが、この整数環では素因数分解の一意性が成立しない(一意分解環ではない)という不備があったので、のちに √−3 の代わりに 1の原始3乗根 ζ 3 = ( − 1 ± − 3 ) / 2 {\displaystyle \zeta _{3}=(-1\pm {\sqrt {-3}})/2} を付加した整数環 Z [ ζ 3 ] {\displaystyle \mathbb {Z} [\zeta _{3}]} (これは円分体 Q [ ζ 3 ] {\displaystyle \mathbb {Q} [\zeta _{3}]} の整数環でもあり、素因数分解の一意性が成り立つ)を使うことで修正された。
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