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みいつ (クルアーン)

(Q97章 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/29 03:49 UTC 版)

みいつ
القدر
Al-Qadr
アル・カドル
みいつ
啓示 マッカ啓示
章題の意味 クルアーンが最初に啓示されたみいつのの、全世界を照すことになった御の輝きを立証することに由来[1]
詳細
スーラ 第97章
アーヤ 全5節
ジュズウ 30番
語数 30語
文字数 114文字
前スーラ 凝血
次スーラ 明証
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音楽・音声外部リンク
Islam House - タルティール朗誦法。
朗誦者: ファーリス・アッバード
Islam House.com - タジュウィード朗誦法。
朗誦者: ムハンマド・スィッディーク・アル=ミンシャーウィー
みいつの夜

みいつ』(御厳、御稜威[注釈 1])とは、クルアーンにおける第97番目の章(スーラ)。5つの節(アーヤ)から成る[1]

内容

この章は ライラ・アル=カドル[2]を描く[3]。ムハンマドに最初の啓示が下ったのは西暦610年ラマダーンの最後の10日のうち、いずれかの奇数日といわれる。そして、その夜のことを「ライラトルカドル」(みいつの夜、ライラ・アル=カドル[4])と呼ぶ[5]44章3節の「祝福された夜」も、これを指しているという解釈がある[6]

この章や様々なハーディスによれば、ライラトルカドルは、ラマダン月の最後の10日間に含まれる奇数日のいずれかの夜に当たると考えられるが、正確な日付は明確ではない。ムスリムはこの夜を神への祈りと嘆願と悔悛に特に適していると尊ぶ[4]

おおよその内容はアーヤ英語版1-5節[7]によると以下のようになる。


(1)われらはこれ(メッセージ)をカドルの夜に示した。
(2)カドルの夜とはなにか、何が汝に知らせるのか?
(3)カドルの夜は千の月より良い。
(4)天使たちと精霊が、主人の許しを得て、すべての定めを持って降りてくる。
(5)すべて平安! 夜明けまで!
スーラ 97 (Al-Qadr)

「カドル(Qadr)」とは、井筒俊彦によると「(神の)意思決定」「(神の)威力」「至高至尊の地位」[8]などに解されており、クルアーンの章名「アル・カドル(Al-Qadr)」の日本語訳は「稜威章」(大川訳)[9]、「定め」(井筒訳)[10]、「聖断の章」(藤本ら[誰?][要出典])、「みいつ」(日本ムスリム情報事務所)などと表される。

第4節の「精霊」は、「ジブリール(ガブリエル)」であると広く考えられている[疑問点]

啓示の時期

これがマッカ啓示メディーナ啓示かについては論争がある[11]

参考文献

本文典拠に使ったものを一覧にする。主な執筆者、編者ほかの順。

脚注

注釈

  1. ^ 漢字では「御厳」または「御稜威」と書き、いずれも「いつ」と読み神などの威光を表す「厳」「稜威」に接頭語「御(み)」を付け、敬って言う言葉である。

出典

  1. ^ a b 聖クルアーン日本語訳”. www.krn.org. 聖クルアーン. 日本ムスリム情報事務所. 2024年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月31日閲覧。
  2. ^ J・L・エスポズィト、Esposito, John L. 編、菊地達也、吉田京子 訳「Night of Power and Excellence ライラ・アル=カドル」『オックスフォードイスラームの辞典』八尾師 誠 監修、朝倉書店、2020年6月、330頁。 ISBN 978-4-254-50023-3国立国会図書館書誌ID: 030417145。「
    • J・L・エスポズィト(John L. Esposito)ジョージタウン大学ウォルシュ外交大学院イスラム教徒・キリスト教徒相互理解促進センター創立理事
    • 八尾師 誠 東京外国語大学名誉教授
    • 菊地 達也 東京大学 准教授
    • 吉田 京子 神田外国語大学 准教授
     
  3. ^ 鈴木大拙 編「イスラム教」『宗教』毎日新聞社、1954年、301-頁。NDLJP:2940587 国立国会図書館デジタルコレクション。
  4. ^ a b ムハマッド・ラジャブ 著、加藤剛 訳『スマトラの村の思い出』めこん、1983年12月。doi:10.11501/12179590NDLJP:12179590 国立国会図書館デジタルコレクション。
  5. ^ 知ろう!学ぼう!楽しもう!21”. シンガポール日本人会. 2013年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月16日閲覧。
  6. ^ 『岩波イスラーム辞典』 2002, ライラ・アル=カドル
  7. ^ Quran 97:1–5
  8. ^ 井筒 2004[要ページ番号]
  9. ^ 『岩波イスラーム辞典』 2002, 稜威章
  10. ^ 井筒 2004, 定め
  11. ^ Abdulmageed Falah (2011). “Grammatical Opinions of Abu Hayyan Andalusi between Theory and Practice”. Arab Journal for the Humanities (Academic Publication Council, Kuwait University) 29 (116). http://pubcouncil.kuniv.edu.kw/ajh/home.aspx?id=8&Root=yes&authid=2019. 

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