OLAPの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 01:56 UTC 版)
基本的な概念からさらに踏み込むとOLAPは3種類存在する。多次元 (Multidimensional) OLAP (MOLAP)・関係 (Relational) OLAP (ROLAP)・ハイブリッド(Hybrid) OLAP (HOLAP)である。MOLAPは伝統的なOLAPの形式であり、単にOLAPと呼ばれる場合もある。MOLAPは集計用の特殊なデータベースを使用する。この中に特定の多次元データベースエンジンがあり、元データと集計値の両方を持つ次元軸の集まりとして必要なスキーマを作成する。これに対して、ROLAPは関係データベースに直接アクセスする。元データとディメンジョンテーブルは関係テーブルとして保持され、集計値を保持するために新しいテーブルが作成される。HOLAPでは元データは関係テーブルに保持され、集計値は多次元テーブルに保持される。 どの種類もそれなりの利点があるが、種類によって利点の詳細は異なってくる。MOLAPはデータが少ない場合に有利であり集計値を計算して返すのが速いが、大量のデータを作成してしまう欠点がある。ROLAPはよりスケーラブルであり最小の容量で済むが、前処理と問い合わせのパフォーマンスが悪くなってしまう。HOLAPは両者の中間と言えるが、前処理が速くスケーラビリティもある。OLAPを実装する際に困難なのは問い合わせを作成することである。つまり元データを選択しスキーマを構築する部分であるが、そのために大抵のOLAP製品では大量の事前に準備された問い合わせのライブラリを持っている。その他の問題としては元データの問題が挙げられる。元データは完全でかつ一貫性がなければならない。
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