Nissan VK engineとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Nissan VK engineの意味・解説 

日産・VKエンジン

(Nissan VK engine から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 02:44 UTC 版)

日産・VKエンジン
VK45DE レース仕様
製造期間 2001年 -
タイプ V型8気筒ガソリンエンジン
テンプレートを表示

日産・VKエンジンとは、日産自動車V型8気筒ガソリンエンジンの系列である。

VHエンジンの後継として、2001年平成13年)にF50型シーマのフルモデルチェンジに合わせ、日産初のV型8気筒直接噴射(筒内噴射)式エンジンであるVK45DDが登場した。

2003年(平成15年)8月には、シーマのマイナーチェンジで燃料供給方式をポート噴射式としたVK45DEが搭載され、VK45DDは廃止された。同年10月、PGF50型プレジデントにVK45DEを搭載。2005年(平成17年)8月、Y50型フーガに333 PS仕様のVK45DEを搭載。自主規制撤廃後、日産のエンジンでは初めて280PSを越えた。

また、VK45DEをスケールアップしたVK56DEは日本国外で販売されているSUVピックアップトラックに搭載されている。

モータースポーツでは、VK45DEが世界耐久選手権ル・マン24時間レースのLMP2クラスで多くのプライベーターチームに使用された[1][2]

バリエーション

VK45DD

  • 種類:V型8気筒 DOHC 32バルブ CVTC(NEO-Di)
  • 排気量:4,494cc
  • 内径×行程:93.0mm×82.7mm
  • 圧縮比:11.0
  • 最高出力、最大トルク
    • 206kW(280 PS)/6,000rpm、451Nm (46.0kg-m)/3,600 rpm (シーマ2WD車)
    • 206kW(280 PS)/6,000rpm、402Nm (41.0kg-m)/3,600 rpm (シーマ4WD車)

搭載車種

「VK45DD」は、シリンダーブロックこそ旧型の4.1リットルV型8気筒ユニット(VH41DE)の発展形であるが、事実上まったくの新設計である。直噴システムは同社の2.0リットル直噴ユニットQR20DDと同じタイプ[3]を用いており、また、シリンダーヘッドの構造や給排気ポートの形状などをV6のVQシリーズモジュール化して、開発や生産のコストを引き下げている。従来品より40%も軽いというチタン合金給排気バルブや、軽量タイプのピストンなど、運動系の部品の軽量化を徹底したことと、摺動部のクリアランスを縮小したことで、高い静粛性燃費の向上が図られたという。とくに静粛性については、旧型の4.1リットルV型8気筒に比較し50-70%も向上している。

VK45DE

VK45DE(フーガ450GT)
  • 種類:V型8気筒 DOHC 32バルブ CVTC
  • 排気量:4,494cc
  • 内径×行程:93.0mm×82.7 mm
  • 圧縮比:11.0
  • 最高出力、最大トルク
    • 206kW(280PS)/6,000rpm、451Nm (46.0kg-m)/3,600rpm (プレジデント、シーマ2WD車)
    • 206kW(280PS)/6,000rpm、402Nm (41.0kg-m)/3,600rpm (シーマ4WD車)
    • 245kW(333PS)/6,400rpm、451Nm (46.0kg-m)/4,000rpm (フーガ)
    • 235kW(320PS)/6,000rpm、454Nm (46.4kg-m)/4,000rpm (FX45)
    • 254kW(340PS)/6,400rpm、451Nm (46.0kg-m)/4,000rpm (2003年 - 2005年 M45)

搭載車種

モータースポーツでの使用例が目立つのが本型式の特徴で、2007年から2009年にかけて2008年にボア・ストローク量を見直した上でSUPER GTで使用されたほか、2011年からはル・マン24時間レースのLMP2クラス向けにニスモザイテック経由でエンジン単体の供給を行う[1]。そして2011年ル・マン24時間レースのLMP2クラスでデビューイヤーながら1-2位を獲得、その後も多くのプライベーターチームに使用された[4]。またマザーシャシーのエンジンもこれと見られている。

VK50VE

VK50VE
  • 種類:V型8気筒 DOHC 32バルブ VVEL
  • 排気量:5,026 cc
  • 内径×行程:95.5mm×87.7mm
  • 圧縮比:10.9
  • 最高出力、最大トルク
  • 287kW(390PS)/6,500rpm、500Nm(51.0kg-m)/4,400rpm

搭載車種

2015年から2019年まで、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズなどに新設されたLMP3クラスにおいて、本エンジンがワンメイクエンジンとして採用されている[5]。LMP3用エンジンは出力が約420PSで、メンテナンスはオレカが担当する[6]

VK56DE

VK56DE(インフィニティ・QX56
  • 種類:V型8気筒 DOHC 32バルブ CVTC
  • 排気量:5,552cc
  • 内径×行程:98.0mm×92.0mm
  • 圧縮比:9.8
  • 最高出力、最大トルク
    • 235kW(320PS)/5,200rpm、522Nm(54.3kg-m)/3,400rpm(インフィニティ・QX)
    • 227kW(305PS)/4,900rpm、514Nm(52.4kg-m)/3,600rpm(アルマーダ)

搭載車種

2020年より、従来のVK50VEに代わり本エンジンが、LMP3ワンメイクエンジンとして採用されている[7]

VK56VD

脚注

  1. ^ a b ニスモ、11年規定対応のLMP2用エンジン販売へ - オートスポーツWEB・2010年9月21日
  2. ^ ニッサン、LMP2にVK45DEエンジンを多数供給”. オートスポーツweb. 2012年2月24日閲覧。
  3. ^ 燃焼室の一端からピストン冠面に対して斜めに噴霧する、キャスティングネットインジェクターを採用。
  4. ^ ル・マン24時間で見せた強さの秘密”. NISMO. 2022年4月22日閲覧。
  5. ^ Nissan named official engine supplier of LMP3 class - Motorsport.com・2014年9月18日
  6. ^ ACO、『LMP3』クラスに関する詳細を明らかに - オートスポーツ・2014年7月20日
  7. ^ リジェ、2020年規定に対応した新型プロト『JS P320』発表。ニッサンV8搭載の次世代LMP3”. autosport web. 2019年6月5日閲覧。

関連項目


「Nissan VK engine」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Nissan VK engine」の関連用語

Nissan VK engineのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Nissan VK engineのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの日産・VKエンジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS