MiG-8 (航空機)とは? わかりやすく解説

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MiG-8 (航空機)

(MiG-8 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/21 18:22 UTC 版)

MiG-8 ウートカ
МиГ-8 Утка

MiG-8 ウートカ

MiG-8(ミグ8;ロシア語:МиГ-8ミーク・ヴォースィェミ)はソビエト連邦ミコヤン・グレヴィッチ設計局が製作した実験機である。愛称のウートカУтка)とはロシア語で「アヒル」を意味するが、これはフランス語ではアヒルを「カナード (Canard)」と呼ぶことから、本機が先尾翼(カナード翼)の研究機として製作されたことにちなんで命名された[1]

開発

ミコヤン・グレヴィッチ設計局(以下、ミグ設計局)では、Po-2に代わる軽飛行機として、シュベツォフ M-11英語版エンジンを搭載した軽飛行機の研究を開始した[2]。設計作業はG.A.トカエフ教授が指導するVVA(空軍学校)の学生達に割り当てられ、後退角20度の主翼と先尾翼をもつ設計案が纏まった[3]。ミグ設計局は提出された設計案を検討した結果、この機体の形状がジェット機時代における戦闘機設計に役立つ可能性を見出し、製造を決めた[2]

機体は木製羽布張りの高翼機で、細長く伸びた機種の先端にフラップ付きのカナード翼を備える。主翼は後退角を持ち、本機がソ連初の後退翼機とされる[1]垂直尾翼は2枚で、当初は主翼端に配置されていたが、後に主翼中央部に移されている[4]。垂直尾翼よりも外側の主翼後縁にはエルロンを備える[1]降着装置は固定式。エンジンはM-11FM空冷星型5気筒エンジン(出力 110hp)を推進式で配し、2翅プロペラを駆動させる[4][5]。乗員は3名で、パイロット席の後方に並列の2人座席があった[4]。後部座席があるのは軽飛行機として設計された名残で、手荷物用スペースもあった[5]。操縦席の計器はPo-2の流用である[5]

MiG-8はアレクサンドル・イワノヴィチ・ジューコフの操縦により、1945年11月19日に初飛行した[2]。この初飛行で操縦に難があったことから、垂直尾翼の配置が翼端部から主翼中央部に移設された[2]。飛行性能は良好で、翼端を下向きにしたり、固定式の前縁スラットを追加するなどの改造を加えて試験が行われた。しかし、この翼形態を将来のジェット機に採用するほどの成果は得られず、本機の試験結果がミグ設計局のジェット機開発に反映されることはなかった[1]

当初の予定であったPo-2の後継機としてみると、MiG-8は十分な性能を有していた。だが、当機が連絡機や写真偵察機として量産されることはなかった[6]。製作された1機は試験終了後、MiG-8はミグ設計局で連絡機として用いられた[7]

スペック

出典:「MiG Aircraft Since 1937」 45頁[7]

  • 全幅:9.50 m
  • 全長:6.995 m
  • 翼面積:15 m2
  • 空虚重量:642 kg
  • 離陸重量:1,150 kg
  • エンジン:シュベツォフ M-11 空冷星型5気筒エンジン (出力 110hp) ×1[3]
  • 燃料:140 kg
  • 最大速度:205 km/h
  • 航続距離:500 km

脚注

参考文献

  • Bill Gunston; Yefim Gordon (1999). MiG Aircraft Since 1937. Putnam Aeronautical Books. ISBN 978-0851778846 
  • Yefim Gordon; Bill Gunston (2000). Soviet X-Planes. ‎Midland Publishing. ISBN 978-1857800999 
  • エフィーム・ゴードン、ビル・スィートマン 著、桂令夫  訳『ソビエトXプレーン』松代守弘 監修、光栄、2001年。 ISBN 978-4877198541 
  • スティーブ・ブリッジウォーター 著、青木謙知 訳「ミグのピストン機」『ロシア戦闘機 MiG』ニュートンプレス〈ニュートンミリタリーシリーズ〉、2022年。 ISBN 978-4315525083 

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