Mighty Doom
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/02 18:37 UTC 版)
| Mighty Doom | |
|---|---|
| デベロッパー | Alpha Dog Games |
| パブリッシャー | ベセスダ・ソフトワークス |
| 芸術 | Anastasia Cook[1] |
| 作曲 | Joshua Richardson[2] |
| シリーズ | Doom |
| プラットフォーム | Android、iOS |
| リリース | 2023年3月21日 |
| ジャンル | ローグライト、シューティング |
| モード | シングルプレイヤー |
『Mighty Doom』(マイティ・ドゥーム)は、Alpha Dog Gamesが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが2023年にリリースしたローグライトのシューティングゲーム。本作はDoomフランチャイズの1つとしてリリースされ、プレイヤーは「ドゥームガイ」を玩具風にデフォルメしたキャラクター「ミニスレイヤー」を操作し、敵や環境上の障害が待ち受けるステージを、戦闘を有利にする一時的な強化要素を獲得しながらローグライト形式で攻略していく。Doomシリーズに登場する敵のデザインの多くが玩具風のアートスタイルに落とし込まれており、プレイヤーは「グローリーキル」システムを駆使して、体力を回復するアイテムを出現させることができる。
Alpha Dog GamesがAndroidおよびiOS向けに開発した『Mighty Doom』は、『Doom』シリーズ本編のダークな作風とは対照的な、カラフルでカートゥーン調のデザインを特徴としていた。本作はまず2021年にAndroid向けとしてソフトローンチされ、2023年2月には事前登録が開始され、それに伴い、デフォルメされたアニメ調の『Doom』の世界を舞台に「ミニスレイヤー」の活躍を描いたアナウンストレーラーが公開された。
『Mighty Doom』は2023年3月21日に世界各国で正式リリースされた。本作は批評家から賛否両論の評価を受け、アートディレクション、ローグライト要素、サウンドトラックが称賛された一方で、独創性(オリジナリティ)の欠如や、押しつけがましいマイクロトランザクション(ゲーム内課金)の実装が批判された。その後、Alpha Dog Gamesの閉鎖に伴い、2024年に本作のサービスは終了した。
ゲームプレイ
| 画像外部リンク | |
|---|---|
| |
『Mighty Doom』は、ローグライトのシステムが特徴のシングルプレイヤー用見下ろし型シューティングゲームである[3][4]。物語は、主人公のペットであるウサギの「デイジー」が悪魔たちに連れ去られてしまったところから始まる[5]。本作の主人公「ミニスレイヤー」はDoomフランチャイズの中心人物「ドゥームガイ」をおもちゃのようにデフォルメした姿をしている[6]。ミニスレイヤーの操作は画面上のジョイスティックで行い、射撃は自動的に行われる仕組み。ミニスレイヤーはメイン武器に加え、手動で発動可能な特殊武器も使用できた[7][5]。また、モバイルゲームによく見られる仕様として、容量に限りがあるエネルギーメーターが採用されていた[8]。
プレイヤーは複数のレベルやステージを攻略する必要があり、各ステージでモンスターや環境ハザードといった様々な障害が待ち受けている。各レベルの開始時は基本的な装備しか持っていないが、本作のローグライト要素により、一時的なアップグレードを獲得し、戦闘能力を高めることができた[3][8]。『Doom』シリーズに登場する複数の敵キャラクターがおもちゃのようなアートスタイルで描かれていた[9]。 また、プレイヤーは近年の『Doom』シリーズのメインタイトルで導入された「グローリーキル」システムを利用することも可能で、これによって、ひるんだデーモンにとどめを刺し、体力を回復するアイテムを出現させることができた[8][10]。さらに、ゲームパッドにも対応しており、Bluetooth接続でコントローラーを使用することができた[11]。
開発とリリース
『Mighty Doom』は Alpha Dog Gamesにより、AndroidとiOSプラットフォーム向けに開発された[12][8]。『Doom』シリーズのメインタイトルがダークで無骨な作風を特徴としているのに対し、、本作はカラフルでカートゥーン調のデザインを取り入れた異なるアートスタイルを採用している[13][14]。本作はまず2021年にソフトローンチされ、Androidデバイス限定での早期アクセスが提供された[15][16]。また2021年には、Pocket Gamerが選ぶ「最も期待されるモバイルゲーム22選」の1つにも選出されている[17]。
事前登録は2023年2月から行われ、武器スキンやミニスレイヤーのパックなどの特別ギフトがプレイヤーに配布された[18][19]。事前登録の開始に合わせて公開されたアナウンスメントトレーラーでは、デフォルメされたアニメーション表現でキャラクターの「ミニスレイヤー」が紹介された。このトレーラーでは、おもちゃにインスパイアされた別次元のDoomの世界が描写されており、モバイルプラットフォーム向けにテンポの速いアーケードスタイルのアクションを提供する設計になっていることが示された[20][21]。2023年3月21日、本作は公式にグローバル配信された[22][23]。
2024年5月7日、ベセスダ・ソフトワークスは運用コスト削減のため、Mighty DoomのデベロッパーのAlpha Dog Gamesを含む複数のスタジオを閉鎖すると発表した。結果として、Mighty Doomの開発は全てストップし、ゲームは2024年8月7日にサービス終了した。アプリ内課金は停止され、返金対応が行われたほか、アプリの新規ダウンロードも行えなくなった[24][25]。
評価
| 評価 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
||||||||||||||
批評家の反応
レビュー集計サイトのMetacriticによると、『Mighty Doom』はiOS版のレビュー7件に基づき、「賛否両論または平均的(mixed or average)」な評価を獲得した[26]。Pocket Gamerは、本作を2023年の「ベストモバイルアクションゲーム」にノミネートした[27][28]。2024年5月7日時点で、本作はApp StoreとGoogle Playを合わせた世界でのプレイヤー支出額が推定1050万ドルに達し、ダウンロード数は760万回を記録した[29]。
『Mighty Doom』のゲームプレイに対する批評家の評価は賛否が分かれ、テンポの良い戦闘は称賛されたものの、独創性に欠けるという指摘も見られた。PCMagは、コアとなるゲームプレイは手堅いもののありきたりであり、シリーズの持ち味である熱狂には至らなかったと評した一方で、「グローリーキル」システムや蓄積されていく武器のアップグレードシステムといったメカニクスは、攻撃的かつ過激なアクションを促進しており、そこには『Doom』らしさが感じられると述べた[6]。IGNも同様に、プレイ中に一時的なアップグレードを獲得していくローグライト形式の進行システムが、スリルと力強さを感じさせるゲームプレイ体験を生み出していると評価した[3]。 Multiplayer.itは序盤の難易度が低すぎると感じたものの、最終的には『Doom』をモバイル向けにうまく適応させた点を評価し、革新性には欠けるものの、楽しく、シリーズへのオマージュが随所に盛り込まれた作品であると称賛した[7]。
Mighty Doomのマネタイズモデルは批評家から概ね否定的な評価を受けており、ゲームの進行を作業的な周回や課金の壁に変えてしまう事で、ゲーム体験を著しく損っていると指摘された。PCMagは、このゲームの基本プレイ無料特有のシステムがゲームの進行を遅らせ、課金を促す作りになっていると指摘し、序盤こそハイペースで強化できるものの、それ以降の進行は停滞してしまうことに言及した[6]。IGNはさらに辛辣であり、本作をpay to win(課金優位)の仕組みや理不尽な難易度の急上昇、そしてゲームから楽しさを奪う巧妙なゲーム内通貨システムに満ちた「マネタイズの悪夢」と評している[3]。 しかし、Multiplayer.itは、ゲーム内課金は任意であり、課金しなくても十分にプレイ可能だと主張したが、難易度の急上昇は認め、課金は開発者への支援としてとらえることもできると示唆した[7]。
本作は、シリーズの代名詞である暴力的な要素と、愛らしくカートゥーン調のビジュアルをうまく融合させた点が高く評価された。PCMagは、「ちびキャラ」風のビジュアルと残虐なアクションとの間に生まれる愉快な対比に注目し、小さな「ドゥームガイ」がチェーンソーを振り回す姿を見るのは満足感があると評した[6]。IGNも同様の意見を示し、「ミニスレイヤー」やその敵キャラクターたちを、愛らしくもあり、かつ滑稽なほど残虐でもあると表現した[3]。 Multiplayer.itは、一部のアニメーションに物足りなさはあるものの、ユーモアとゴア(残酷描写)の絶妙なバランスを実現したとして開発者を称賛した。そして本作を、様式化された可愛らしいアプローチをとりつつも、Doomの世界を忠実かつ楽しく翻案したものであると評価した[7]。
『Mighty Doom』のヘヴィメタル・サウンドトラックは、ゲームプレイの激しさを引き立てるとして、批評家から好意的に評価された。IGNは、近年の『DOOM』シリーズ作品との類似性に触れつつ、その強烈なリズムや、アップグレード獲得時のアナウンサーによるドラマチックなボイスが、アクションをより一層盛り上げていると評した[3]。Multiplayer.itもまた、このメタル・サウンドトラックを高く評価し、アクションと効果音を見事に補完する魅力的かつリズミカルな楽曲であると表現し、ナレーターのボイスがゲームの重要な場面をさらに引き立てていると述べた[7]。
脚注
- ↑ Cook, Anastasia. "Anastasia Cook's official ArtStation website". ArtStation. Retrieved 15 May 2025.
{{cite web}}: CS1 maint: deprecated archival service (link) - ↑ Richardson, Joshua.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 Reed (2023年4月11日). “Mighty Doom Review” (英語). IGN. 2023年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Ganko (2023年2月22日). “Mighty Doom: Bethesda zapowiedziała roguelite'owy spin-off na urządzenia mobilne – CD-Action” (ポーランド語). CD-Action. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- 1 2 Bonthuys (2023年2月21日). “Bethesda Announces Mighty Doom, A Top-Down And "Adorably Violent" Mobile Game” (英語). GameSpot. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- 1 2 3 4 5 Minor (2023年5月8日). “Mighty Doom” (英語). PCMag. 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
- 1 2 3 4 5 Pugliese (2023年3月26日). “Mighty DOOM, la recensione” [Mighty DOOM, the review] (イタリア語). Multiplayer.it. 2023年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- 1 2 3 4 Zwiezen (2023年3月30日). “New Doom Game Is Cute And Fun Until You Run Out Of Energy” (英語). Kotaku. 2023年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Denzer (2023年2月21日). “Mighty Doom announced for mobile, launches March 2023” (英語). Shacknews. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ “DOOM revient, mais sous une forme que vous n'attendiez pas du tout !” (フランス語). Jeuxvideo.com (2023年3月24日). 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Botadkar (2023年5月17日). “Mighty Doom has added controller support for all the button mashers out there” (英語). Pocket Gamer. 2023年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月30日閲覧。
- ↑ Jakobs (2023年2月22日). “Mighty Doom ist ein neues Doom-Spiel, aber...” [Mighty Doom is a new Doom game, but...] (ドイツ語). Eurogamer.de. 2023年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Joffard (2023年2月22日). “DOOM revient très bientôt avec un nouvel épisode... tout mignon” [DOOM is coming back very soon with a brand-new episode... all cute] (フランス語). Jeuxvideo.com. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Nelson (2023年2月21日). “'Mighty Doom' Now Open for Pre-Registration on iOS and Android Ahead of March 21st Global Launch – TouchArcade” (英語). TouchArcade. 2023年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ “Surprise ! Le jeu gratuit le plus téléchargé sur iOS et Android est...” [Surprise! The most downloaded free game on iOS and Android is...] (フランス語). Jeuxvideo.com (2023年3月24日). 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Mohanty (2023年3月2日). “Mighty DOOM is an action title by Bethesda that's now available for Android in early access | Pocket Gamer”. Pocket Gamer. 2023年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ “PocketGamer.biz's 22 most anticipated mobile games of 2022” (英語). Pocket Gamer (2021年12月30日). 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
- ↑ Ivan (2023年2月21日). “Bethesda has announced a March release for top-down mobile shooter Mighty Doom” (英語). Video Games Chronicle. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Nunneley-Jackson (2023年2月22日). “Mighty Doom is a new top-down arcade shooter coming to iOS and Android” (英語). VG247. 2023年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Friscia (2023年2月21日). “Mighty Doom Release Date Set for Cute Mobile Shooter” (英語). The Escapist. 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
- ↑ Morris (2023年2月22日). “Top-down shooter Mighty Doom receives new trailer and release date” (英語). Pocket Gamer. 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
- ↑ Botadkar (2023年2月23日). “Mighty Doom brings the iconic Doom franchise to mobile through an adorably violent top-down shooter” (英語). Pocket Gamer. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Derrick (2023年3月26日). “Mighty Doom, the cutesy top-down spinoff of the legendary FPS franchise, finally fully launches after two years in early access” (英語). Pocket Gamer. 2023年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ Yin-Poole (2024年5月7日). “Microsoft Closes Redfall Developer Arkane Austin, Hi-Fi Rush Developer Tango Gameworks, and More in Devastating Cuts at Bethesda” (英語). IGN. 2025年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月7日閲覧。
- ↑ Madnani (2024年5月7日). “'Mighty Doom' Shutting Down on August 7th, Game Has Been Delisted on iOS and Android With in App Purchases Disabled – TouchArcade” (英語). TouchArcade. 2025年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月3日閲覧。
- 1 2 “Mighty DOOM” (英語). Metacritic. 2024年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
- ↑ “Pocket Gamer Awards 2023 – Winners and finalists” (英語). Pocket Gamer (2023年12月13日). 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
- ↑ Takle (2023年12月13日). “Pocket Gamer Awards 2023 winners revealed” (英語). Pocket Gamer. 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
- ↑ Chapple (2024年5月7日). “Microsoft closes Mighty Doom dev Alpha Dog, Arkane Austin, Tango Gameworks and more” (英語). Pocket Gamer. 2025年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月4日閲覧。
外部リンク
- Mighty Doomのページへのリンク