MAPK/ERK経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:17 UTC 版)
「mTORC1」の記事における「MAPK/ERK経路」の解説
IGF1などの分裂促進因子はMAPK/ERK経路(英語版)を活性化し、TSC1/TSC2複合体の阻害とmTORC1の活性化を引き起こす。この経路のGタンパク質Rasはファルネシル基を介して細胞膜に固定され、不活性なGDP結合状態で存在する。近接する受容体型チロシンキナーゼに成長因子が結合すると、アダプタータンパク質GRB2(英語版)がそのSH2ドメインを介して結合する。これによってSosと呼ばれるGEFがリクルートされ、Rasが活性化される。RasはRaf(MAPKKK)を活性化し、RafはMek(英語版)(MAPKK)を活性化し、MekはErk(MAPK)を活性化する。ErkはRSK(英語版)を活性化する。ErkはTSC2のセリン644番をリン酸化し、RSKはTSC2のスレオニン1798番をリン酸化する。これらのリン酸化はTSC1/TSC2ヘテロ二量体の解離を引き起こし、Rhebの不活性化を防ぐことでmTORCを活性状態に維持する。 RSKはRaptorもリン酸化することが示されており、PRAS40の阻害的効果への対抗を補助する。
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