IPアドレスのマスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/16 13:58 UTC 版)
「マスク (情報工学)」の記事における「IPアドレスのマスク」の解説
IPアドレスのマスクは IP ACL (アクセス制御リスト)で許可されるものと拒否されるものを指定するのに使われる。インタフェース上のIPアドレスを設定するマスクは、先頭が255で左側の方が大きい値になる。例えば、IPアドレス 209.165.202.129 に対して 255.255.255.224 というマスクが対応する。IP ACL のマスクはその逆で、例えば 0.0.0.255 となる。これを逆マスク (inverse mask) あるいはワイルドカードマスク (wildcard mask) と呼ぶこともある。このマスク値をバイナリ(0と1)で表すと、アドレスのビット列のうちどの部分を処理するかが示されている。0となっているビット位置のアドレスビットは考慮され(一致する必要がある)、1となっているビット位置のアドレスビットは考慮しない。 マスクの例: (処理すべきトラフィックの)ネットワークアドレス 10.1.1.0マスク 0.0.0.255 ネットワークアドレス(バイナリ) 00001010.00000001.00000001.00000000マスク(バイナリ) 00000000.00000000.00000000.11111111 バイナリ形式のマスクを見ると、先頭3オクテットは指定されたバイナリ形式のネットワークアドレス (00001010.00000001.00000001) と正確に一致しなければならない。最後尾にオクテットは考慮する必要はない (.11111111)。したがって、10.1.1. で始まるアドレスの全トラフィックを対象とし、最後尾のオクテットは考慮しない。つまり、このマスクでは 10.1.1.1 から 10.1.1.255 までのアドレスを処理する。 255.255.255.255 から通常のマスクを引き算すると ACL 用逆マスクが得られる。例えば、ネットワークアドレス 172.16.1.0 の通常のマスクが 255.255.255.0 の場合、逆マスクは次のように求められる。 255.255.255.255 - 255.255.255.0 (通常のマスク) = 0.0.0.255 (逆マスク) アドレス 0.0.0.0 で逆マスクが 255.255.255.255 なら、アドレス範囲を指定しないことを示している。アドレス 10.1.1.2 で逆マスクが 0.0.0.0 なら唯一のホスト 10.1.1.2 だけを指す。
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