HD 5980 B
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 04:53 UTC 版)
「HD 5980」の記事における「HD 5980 B」の解説
伴星Bは、主星と同様ウォルフ・ライエ星である。主星Aと伴星Bは、公転周期約19.3日の視覚的に分離できない連星系を形成している。軌道要素からすると、主星Aと伴星Bの質量は大きく違わないとみられ、軌道傾斜角は86°と推定される。A-B連星系は食連星で、1周期に2回部分食が起こり、副極小の位相が0.36であることから、離心率が0.27の楕円軌道をとっていると推定される。食による減光は、0.2等級に過ぎないが、食の最中に光度曲線が変化したり、スペクトルの輪郭が変形したりしており、伴星Bの周囲には主星Aよりもやや大きいガス領域が存在すると思われる。 伴星Bのスペクトル型は、WN4と分類される。主星Aとあまり違わないが、軌道運動に従って輝線の輪郭が変化することに基づいて、主星Aのスペクトルと区別している。水素の輝線があるが、他の輝線に埋もれている場合が多い。水素の細い吸収線も見られるが、視線速度の変化が連星の軌道運動によるものとは異なり、A-B連星系が起源ではないと考えられる。
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