GD 165B とL型天体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 19:13 UTC 版)
「褐色矮星」の記事における「GD 165B とL型天体」の解説
何年にもわたって、褐色矮星を発見しようという試みは実りのないものであった。しかし1988年になって、白色矮星の赤外線での探査によって GD_165 として知られていた天体に暗い伴星が発見された。伴星である GD 165B のスペクトルは非常に赤く奇妙なものであり、低質量の赤色矮星が示すであろう特徴を持っていなかった。GD 165B は、これまでに知られていた晩期M型矮星よりもずっと低温な天体に分類されるべきであるということが明確となった。この天体は、後に 2MASS (Two Micron All-Sky Survey) によって似た色とスペクトルの特徴を示す天体が多数発見されるまでの10年程度の間、この種の特徴を示す唯一の天体であった。 今日では、GD 165B は現在「L型矮星」と呼ばれている天体の分類の原型であると認識されている。 GD 165B が発見された直後に、別の褐色矮星候補天体も報告された。しかしリチウムが欠如していることからそれらの大部分は恒星であることが示された。恒星の場合は1億年強の間にリチウム燃焼(英語版)によってリチウムを消費するのに対し、褐色矮星の場合は温度と光度は恒星に近い値になりうるものの、リチウム燃焼は起こさない。従って、1億歳よりも年老いた天体においてリチウムが検出された場合、その天体は褐色矮星であることが確認できる。
※この「GD 165B とL型天体」の解説は、「褐色矮星」の解説の一部です。
「GD 165B とL型天体」を含む「褐色矮星」の記事については、「褐色矮星」の概要を参照ください。
- GD 165B とL型天体のページへのリンク