クロシン
分子式: | C44H64O24 |
その他の名称: | クロシン、Crocin、8,8'-Diapo-ψ,ψ-carotene-8,8'-dioic acid bis(6-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranosyl) ester、trans-クロシン、8,8'-Diapo-ψ,ψ-carotene-8,8'-dioic acid bis[6-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranosyl] ester、α-クロシン、α-Crocin、クロシン1、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E)-2,6,11,15-Tetramethyl-2,4,6,8,10,12,14-hexadecaheptaenedioic acid bis(6-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranosyl) ester、trans-クロセチンジ(β-D-ゲンチオビオシル)エステル、trans-Crocetin di(β-D-gentiobiosyl) ester、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E)-2,6,11,15-Tetramethyl-2,4,6,8,10,12,14-hexadecaheptaenedioic acid 1,16-bis[6-O-(β-D-glucopyranosyl)-β-D-glucopyranosyl] ester、クロシンA、Crocin A、trans-Crocin、Crocin 1 |
体系名: | 8,8'-ジアポ-ψ,ψ-カロテン-8,8'-二酸ビス(6-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)、8,8'-ジアポ-ψ,ψ-カロテン-8,8'-二酸ビス[6-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル]、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E)-2,6,11,15-テトラメチル-2,4,6,8,10,12,14-ヘキサデカヘプタエン二酸ビス(6-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E)-2,6,11,15-テトラメチル-2,4,6,8,10,12,14-ヘキサデカヘプタエン二酸1,16-ビス[6-O-(β-D-グルコピラノシル)-β-D-グルコピラノシル] |
クロシン
(Crocin から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 17:37 UTC 版)
クロシン | |
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クロシンの構造式
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 42553-65-1 ![]() |
KEGG | C08589 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
クロシン(crocin)は、水溶性のカロテノイド系の色素である。クロチンとも呼ばれる。
構造と性質
カロチノイドは基本的に脂溶性の分子である。事実、クロシンのカロチノイドの部分であるクロセチンの部分は、比較的脂溶性が高い部分である。しかし、クロシンの場合は、水溶性の高い糖であるゲンチオビオースを、合計で2分子、エステル結合させているため、水溶性の性質を帯びている。クロシンの分子式は、C44H64O24だが[1]、この中で電気陰性度が高く極性を持ち易い酸素原子の大部分は、ゲンチオビオースの部分に集中している。この酸素が水からの水素結合を受容でき、さらに、水酸基は水への水素結合を供与できるために、水溶性が高まっている。
また、カロチノイドは一般に、分子内に共役系が伸びており、ヒトの可視光線の波長域を吸収する。クロシンの場合もクロセチンの部分が、そのような部分である。クロシンのメタノール溶液から再結晶させた、クロシン水和物の針状結晶は赤褐色を呈し、その常圧での融点は186 ℃である。また、クロシンは温水に溶け、橙色の水溶液を与える。
所在
クロシンは天然に存在する化合物である。例えば、サフラン(アヤメ科)の雌しべ、クチナシ(アカネ科)の果実などに含まれる。
利用
クロシンは食品の着色料として、古くから用いられてきた。
研究
出典
- ^ “Compound:C08589 クロシン(crosin)”. KEGG. 2021年8月31日閲覧。
- ^ Georgiadou, G.; Tarantilis, P.A.; Pitsikas, N. (2012). “Effects of the active constituents of Crocus Sativus L., crocins, in an animal model of obsessive–compulsive disorder.”. Neuroscience Letters 528: 27–30.
- ^ Marjan Nassiri-Asl; Hossein Hosseinzadeh (2015). “Chapter 3 - Neuropharmacology Effects of Saffron (Crocus sativus) and Its Active Constituents.”. Bioactive Nutraceuticals and Dietary Supplements in Neurological and Brain Disease.: 29-39.
参考文献
- Merck Index 14th ed., p.2589.
外部リンク
- Crocinのページへのリンク