カリュドーンの猪
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 16:04 UTC 版)
カリュドーンの猪(カリュドーンのいのしし、英語:Calydonian Boar)はギリシア神話に登場する巨大な猪。長母音を省略してカリュドンの猪とも表記する。アイトーリアのカリュドーン王オイネウスが生け贄を忘れたために女神アルテミスの怒りを買い、この猪が放たれたとされる。ギリシア全土から勇士が招集され、猪は退治されたが、このことがオイネウスの息子メレアグロスの死につながった。
注釈
- ^ ロバート・グレーヴスは、パイアはもともと猪でなく豚であるとし、テーセウスの神話は雌豚の女神デーメーテールの信仰が禁じられたことを示すものとしている。
- ^ アレースは猪に姿を変えてアドーニスを殺した。また、アレースはメレアグロスの本当の父親とされることがある。
- ^ グレーヴスによれば、アルテミスに生け贄を捧げなかったヘレーネスの王は、狩りの参加者のひとりアドメートスもそうである。ほかに、プロイトスの伝説でも以下のようなエピソードがある。プロイトスの娘たちがヘーラーによって狂気とされたとき、プロイトスに祈りを捧げられたヘーリオスは、もしアルテミスがヘーラーを説き伏せて娘たちの狂気を直してくれるなら、アルテミスへの捧げものを怠った王たちの名を教えると取引を持ちかけている。アクタイオーンのように、アルカディアやボイオーティアでは王自身あるいはその身代わりが生け贄とされており、アルテミスの求める犠牲は、他のオリュムポスの神々よりずっと過酷であり、古典期に入ってからもおびただしい数の生きた獣を必要としたという。
- ^ 猪はカリュドーンの紋章。この後に生まれたオイネウスの息子でテーバイ攻めの七将の一人、テューデウスは猪の紋章を付けてポリュネイケースと争った。
- ^ アポロドーロスは、オイネウスの息子にトクセウスがあり、この物語以前に死んだとしている[2]。
- ^ ケレーニイによれば、男だけで狩猟に行くのがおそらく古来からの聖なるしきたりだった[3]。
- ^ グレーヴスは、狩りに参加していたケンタウロスのヒューライオスとロイコスが示し合わせて、最右翼にいたアタランテーを犯そうとしたが、逆に射殺されたとする。
- ^ ヒュギーヌスによれば、プレークシッポスらが皮を奪おうとしたためにアタランテーはメレアグロスに保護を求め、メレアグロスは仲裁しようとした。
- ^ グレーヴスによれば、アテーナイのアクロポリスやレーロス島ではアルテミスはメレアグリス、つまりほろほろ鳥として崇拝された。この信仰は東アフリカ起源を持つという。
- ^ クーレースはアイトーリアのブレウローンの古名。テスティオスはブレウローン王である。
- ^ 『イーリアス』ではメレアグロスの死は語られていない。
- ^ ヒュギーヌスではリュンケウスは2人(イーダースの兄弟とアルタイアーの兄弟)とされている。
出典
- ^ Chaos >> Phaia - ウェイバックマシン(2007年8月28日アーカイブ分)参照。
- ^ アポロドーロス『ギリシア神話』岩波文庫、p.45
- ^ カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 - 英雄の時代』中公文庫、1985年、p.136
- 1 カリュドーンの猪とは
- 2 カリュドーンの猪の概要
- 3 主要な原典
- 4 美術の題材
- 5 外部リンク
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