Big Crunch

デジタル大辞泉

ビッグ‐クランチ【Big Crunch】

読み方：びっぐくらんち

宇宙終焉(しゅうえん)のシナリオの一つ。ビッグバン以降、宇宙は膨張を続けているが、その平均密度がある臨界密度より大きい閉じた宇宙の場合、宇宙自身の重力によってやがて収縮に転ずる。ビッグバン後の経緯を逆にたどって超高温・超高密度の状態になり、最終的に宇宙の時空が潰れて特異点に収束する。現在の物理学では、そのような極限的な状態を説明するのに必要な一般相対性理論と量子力学を統合した理論がないため、最後の瞬間がどのようになるのか、また、再び膨張に転じるのかはわかっていない。また、現時点の観測事実からは、宇宙が開いているとされ、宇宙は永遠に膨張を続けると考えられている。→ビッグフリーズ →ビッグリップ

宇宙用語辞典

ビッグクランチ Big Crunch

宇宙に大量のダークマター（目に見えない未知の形態の物質）があれば、膨張にブレーキがかけられるかもしれないと考えられている。この場合、宇宙は重力のせいである一定の大きさ以上にはなれず、その後は重力のほうが強くなって宇宙は収縮に向かい、やがてビッグクランチと呼ばれる瞬間に再び一点に集まる。そしてビッグバンを引き起こして、今とは全く違った宇宙に生まれ変わるかもしれない。宇宙はビッグバンとビッグクランチを繰り返すのである。

ウィキペディア

ビッグクランチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/08/05 19:54 UTC 版)

ビッグクランチ（Big Crunch）とは、予測される宇宙の終焉の一形態である。現在考えられている宇宙モデルでは、宇宙はビッグバンによって膨張を開始したとされているが、宇宙全体に含まれる質量（エネルギー）がある値よりも大きい場合には、自身の持つ重力によっていずれ膨張から収縮に転じ、宇宙にある全ての物質と時空は無次元の特異点に収束すると考えられる。