5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 14:58 UTC 版)

5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ(EC 2.1.1.13、5-Methyltetrahydrofolate-homocysteine methyltransferase、MTR)は、メチオニン生合成の最終段階を触媒する酵素である。メチオニンシンターゼ(Methionine synthase; MS)としても知られる。MTRはホモシステインからメチオニンを合成する、S-アデノシルメチオニンサイクル(メチオニン合成とも呼ぶ)を構成する[1]。
MTRには、ビタミンB12(コバラミン)に依存して機能するタイプ(MetH)と、依存しないタイプ(MetE)の2種類が知られている。両者は反応機構・アミノ酸配列の点で共通点がなく、そのため互いに独立して進化したと推定されている[2]。
機能
MTRは補因子である亜鉛とメチルコバラミン(MeB12)を含み、5-メチルテトラヒドロ葉酸(N5-methyl-THF)とホモシステインを基質とする。
この酵素反応は二段階のピンポン機構で進行する。始めに、N5-methyl-THFからのメチル基の転位でMeB12とテトラヒドロ葉酸(THF)が生成する。次に、メチル基がMeB12からホモシステインに転位し、コバラミン(B12)が再生すると同時にメチオニンが生成する。

脚注
- ^ Banerjee RV, Matthews RG (1990). “Cobalamin-dependent methionine synthase”. FASEB J. 4 (5): 1450–9. PMID 2407589 .
- ^ Pejchal, Robert; Ludwig, Martha L (2004-12-28). Stroud, Robert M.. ed. “Cobalamin-Independent Methionine Synthase (MetE): A Face-to-Face Double Barrel That Evolved by Gene Duplication” (英語). PLoS Biology 3 (2): e31. doi:10.1371/journal.pbio.0030031. ISSN 1545-7885. PMC 539065. PMID 15630480 .
関連項目
5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼと同じ種類の言葉
トランスフェラーゼに関連する言葉 | グルタミンアミドトランスフェラーゼ アセチルトランスフェラーゼ 5メチルテトラヒドロ葉酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ アラニントランスフェラーゼ(あらにんとらんすふぇらーぜ) ヒストンアセチルトランスフェラーゼ |
固有名詞の分類
酵素 |
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体 パントテン酸キナーゼ 5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ アデニル酸シクラーゼ ルシフェラーゼ |
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