3乗剰余の相互法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 10:17 UTC 版)
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数学、特に初等整数論・代数的整数論において、3乗剰余の相互法則(さんじょうじょうよのそうごほうそく、英: cubic reciprocity)[注 1]とは、合同式 x3 ≡ p (mod q) が解けるための条件を提示する、一連の定理群のことである。ここで「相互法則」という単語は、以下に提示する主定理に由来する。
- 主定理
- p と q をアイゼンシュタイン整数環上の、3とも互いに素な素元とするとき、合同式 x3 ≡ p (mod q) が可解となる必要十分条件は x3 ≡ q (mod p) が可解となることである。
歴史
1748年より前に、オイラーは小さな整数の3乗剰余性について最初の予想をした[1]が、彼の死後、1849年まで公表されなかった。
ガウスは、出版済みの著作において3乗剰余とその相互法則に関して3回言及している。1801年に公刊された著作 Disquisitiones Arithmeticae には、3乗剰余に関する結果が1つある[2]。1818年には、平方剰余の相互法則の第五証明(数論のガウスの補題によるもの)と第六証明(二次のガウス和によるもの)の導入において、これらの手法は3乗剰余および4乗剰余の相互法則にも適用できると述べている[3]。1832年には、4乗剰余の相互法則に関する(2つのうちの)2番目の脚注において、3乗剰余の相互法則はアイゼンシュタイン整数環によって最も簡単に記述されると述べている[4]。
彼の日記やその他の未発表の資料からは、ガウスは1805年までに整数の3乗剰余および4乗剰余の相互法則を知っており、1814年頃にはそれらについての完全な定理とその証明を発見したようである[5] [6]。これらの証明は彼の死後の論文で発見されたが、それらが彼によるものかアイゼンシュタインによるものかは明らかになっていない[7]。
ヤコビは1827年に3乗剰余に関するいくつかの定理を証明なしに発表した[8]。 1836年から1837年にかけてのケーニヒスベルクでの講演において、ヤコビは証明を提示した[7]が、最初に出版された証明はアイゼンシュタインによる1844年のものである[9] [10] [11]。
有理整数の場合
p を法とする3乗剰余とは、その3乗が p を法として合同な任意の数のことである。もし x についての合同式 x3 ≡ a (mod p) が整数解を持たないなら、a は p を法とする3乗非剰余であるという[12]。
数論でよくあることだが、素数を法とするほうがより上手くいくことが多いため、この節では全ての p、q などの法は正の奇素数であると仮定する[12]。まず初めに、素数 q が q ≡ 2 (mod 3) を満たすとき、すべての整数が3乗剰余であることに注意しよう。03 = 0 ≡ 0 (mod q) から、0は明らかに3乗剰余であるため、整数 x は q で割り切れないと仮定する。整数 n を q = 3n + 2 を満たすように取っておく。ここで、フェルマーの小定理より、任意の整数 x に対して、次の2つの合同式が成り立つ:
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