ガウスの補題 (数論)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:41 UTC 版)
数論におけるガウスの補題(ガウスのほだい、英: Gauss' lemma)は整数が平方剰余であるための条件を与える。計算的には有用ではないが、理論的には重要であり、平方剰余の相互法則のいくつかの証明で使われる。
ガウスの補題は平方剰余の相互法則のカール・フリードリヒ・ガウスの3番目の証明 (1808)[1]:458–462 において初めて現れ、5番目の証明 (1818)[1]:496–501 において彼は再びそれを証明した。
補題の主張
任意の奇素数 p に対して、a を p と互いに素な整数とする。
整数
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群論の移送との関係
G を Z/pZ の 0 でない剰余類のなす乗法群 (Z/pZ)×とし、H を部分群 {+1, −1} とする。G における H の剰余類の次の代表系を考える:
この代表系の集合に移送のからくりを施して、移送準同型
を得るが、これは a を (−1)n に送る写像であることが分かる、ただし a と n は補題の主張のとおりとする。するとガウスの補題は、この準同型を二次剰余指標として明示的に同一視する計算と見ることができる。
関連項目
素数を法とした平方数の2つの他の特徴づけはオイラーの規準とゾロタレフの補題である。
参考文献
- ^ a b c Gauss, Carl Friedrich H. Maser訳 (1965) (German), Untersuchungen uber hohere Arithmetik (Disquisitiones Arithmeticae & other papers on number theory) (2nd ed.), New York: Chelsea, ISBN 0-8284-0191-8
- ^ a b c d e Lemmermeyer, Franz (2000), Reciprocity Laws: from Euler to Eisenstein, Berlin: Springer, ISBN 3-540-66957-4
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