2011年のフランスグランプリ_(ロードレース)とは? わかりやすく解説

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2011年のフランスグランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/18 07:17 UTC 版)

  2011年のフランスグランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第4戦
決勝日 2011年5月15日
開催地 ル・マンブガッティ・サーキット
開催コース 常設サーキット
4.180km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
ケーシー・ストーナー ダニ・ペドロサ
1:33.153 1:33.617
表彰台
1. ケーシー・ストーナー
2. アンドレア・ドヴィツィオーゾ 3. バレンティーノ・ロッシ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ステファン・ブラドル マルク・マルケス
1:38.357 1:38.533
表彰台
1. マルク・マルケス
2. 高橋裕紀 3. ステファン・ブラドル


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
ニコラス・テロル ニコラス・テロル
1:43.578 1:43.578
表彰台
1. マーベリック・ビニャーレス
2. ニコラス・テロル 3. エフレン・バスケス


2011年フランスグランプリ は、ロードレース世界選手権2011年シーズン第4戦として、5月13日から5月15日までフランスル・マンにあるブガッティ・サーキットで開催された。

概要

125ccクラス

125ccクラス予選では、開幕から3連勝中のニコラス・テロルポールポジションを獲得、2番手にはチームメイトのエクトル・ファウベル、3番手には自身初のフロントローとなるルーキーのマーベリック・ビニャーレスが続いた[1]

日曜日の決勝では序盤はテロルがリードしていたが、ビニャーレスがファステストを織り交ぜながらのハイペースで追いつき、2台のマッチレースとなった。独走が難しいと判断したテロルはビニャーレスにトップを譲り一旦先行させる作戦に出たが、ビニャーレスもすぐにトップを譲り返す駆け引きが展開された。決着はファイナルラップの最終コーナー、トップを走行していたテロルがブレーキングミスを犯した隙を突いてビニャーレスがオーバーテイクを成功させ、僅か0.048秒差でグランプリ参戦4戦目にして初優勝を成し遂げた[2]。16歳と123日での優勝は、スコット・レディングマルコ・メランドリに次ぐ史上3番目の若さとなった[3][4]

3位には終盤に集団から抜け出したエフレン・バスケスが入り、シーズン初の表彰台を獲得した。4位にはヨハン・ザルコとのバトルを制したファウベルが入り、125ccクラス復帰後初めて1桁の順位でフィニッシュした。

尾野弘樹はこのシーズンワーストの23番グリッドからのスタートだったが、一時は13番手まで浮上。そのまま集団でのバトルを繰り広げたが、16位に終わりポイントを取り逃がした。

ポイントランキングではテロルがトップの座を維持、今回7位に終わったサンドロ・コルテセとの差を36ポイント、ザルコとの差を42ポイントに広げた[5]

Moto2クラス

Moto2クラス予選では、ステファン・ブラドルが開幕から4戦連続となるポールポジションを獲得、2番手にトーマス・ルティ、3番グリッドには高橋裕紀が続いた[6]

日曜日の決勝レース、序盤はフロントローの3人にフリアン・シモンを加えた4台でトップ集団が形成される展開となった。やがて6番グリッドからスタートで9位に落ちていたルーキーのマルク・マルケスがこの集団に追いつくと、残り4周となった22周目にトップに浮上、そのまま後続との差を広げてトップでチェッカーフラッグを受けた。このシーズンは自らのミスや他者の巻き添えで転倒・リタイヤが続きノーポイントのマルケスだったが、クラス4戦目にして初優勝を果たした。18歳と87日での中量級クラス(旧250ccクラスも含む)優勝は、ダニ・ペドロサ(18歳と202日、2004年南アフリカGP)を更新する史上最年少記録となった[7]

2位には高橋裕紀が入り、自身初めて2戦連続で表彰台に立った。3位にはブラドルが入り、ポイントリーダーの座を堅守。ランキング2番手に浮上したシモン(今回4位)との差を28ポイントに広げた。アンドレア・イアンノーネは1周目に転倒リタイヤとなり、トップから29ポイント差の3番手に落ちた[8]

MotoGPクラス

MotoGPクラス予選ではケーシー・ストーナーがシーズン3度目のポールポジションを獲得、以下マルコ・シモンチェリアンドレア・ドヴィツィオーゾダニ・ペドロサと続き、ワークス仕様のホンダ・RC212Vがトップ4を占めた[9]

日曜朝のウォームアップ走行では、アタックラップ中のストーナーがスロー走行中のランディ・ド・プニエにラインをふさがれたことに腹を立て、ド・プニエの肩を拳で叩いてしまう。この行為によりストーナーは罰金5,000ユーロを課されることとなった[10]

決勝では好スタートを決めたペドロサが先頭で1周目を終えるが、2周目にはストーナーがトップを奪還。以降ストーナーは後続との差を広げて独走態勢を築き、シーズン2勝目を挙げた。

2位争いは、ストーナーから遅れたペドロサにシモンチェリが追いつき、2台での争いとなった。だが18周目の7コーナー、インを突いたペドロサとアウトから進入したシモンチェリのラインが交錯し、2台は接触。ペドロサは転倒してしまい、その際に右肩を強打。鎖骨を骨折した。またこの接触が危険行為と判断されたシモンチェリにもライドスルーペナルティが課せられた。

2台の脱落により2位争いはホルヘ・ロレンソバレンティーノ・ロッシ、ドヴィツィオーゾの3台で展開された。だがロレンソはペースが上がらず、争いから脱落。ロッシとドヴィツィオーゾのイタリア人同士のバトルとなった。ラスト2周となったところでロッシが仕掛け一瞬2番手に浮上しかけるが、ドヴィツィオーゾはこれを死守。そのまま抑えきりシーズン初の2位表彰台を獲得した。3位のロッシもドゥカティ移籍後初の表彰台を獲得した。

ペナルティを受けたシモンチェリは7番手にまで落ちるが、その後追い上げて5位でフィニッシュした。レース後ペドロサのマネージャーであるアルベルト・プーチは、「シモンチェリは以前から危険だと話題になっていた。彼は本当に無学なライダーだ」と強く批判した[11]。一方シモンチェリとチーム監督のファウスト・グレシーニは、「あれはレーシングアクシデントだった」と主張した[12]

青山博一はオープニングラップの1コーナーでコース外へと弾き出されてしまったものの、そこから追い上げ4戦連続のトップ10入りとなる8位でフィニッシュした。

ポイントランキングではロレンソがトップを維持。ストーナーが12ポイント差の2番手に浮上し、ペドロサは17ポイント差の3番手に落ちた[13]

MotoGPクラス決勝結果

順位 No. ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 27 ケーシー・ストーナー ホンダ 28 44:03.955 1 25
2 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 28 +14.214 3 20
3 46 バレンティーノ・ロッシ ドゥカティ 28 +14.564 9 16
4 1 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 28 +21.075 5 13
5 58 マルコ・シモンチェリ ホンダ 28 +31.245 2 11
6 11 ベン・スピーズ ヤマハ 28 +31.609 8 10
7 69 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 28 +35.566 10 9
8 7 青山博一 ホンダ 28 +51.502 13 8
9 8 エクトル・バルベラ ドゥカティ 28 +1:03.731 14 7
10 17 カレル・アブラハム ドゥカティ 28 +1:03.885 16 6
11 24 トニ・エリアス ホンダ 28 +1:04.068 17 5
12 19 アルバロ・バウティスタ スズキ 28 +1:04.192 12 4
13 5 コーリン・エドワーズ ヤマハ 26 +2 laps 7 3
Ret 65 ロリス・カピロッシ ドゥカティ 21 アクシデント 15
Ret 26 ダニ・ペドロサ ホンダ 17 アクシデント 4
Ret 35 カル・クラッチロー ヤマハ 6 棄権 6
Ret 14 ランディ・ド・プニエ ドゥカティ 1 アクシデント 11

Moto2クラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 93 マルク・マルケス スッター 26 43:03.308 6 25
2 72 高橋裕紀 モリワキ 26 +1.982 3 20
3 65 ステファン・ブラドル カレックス 26 +2.237 1 16
4 60 フリアン・シモン スッター 26 +2.349 9 13
5 12 トーマス・ルティ スッター 26 +2.609 2 11
6 40 アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 26 +12.295 4 10
7 3 シモーネ・コルシ FTR 26 +18.739 7 9
8 77 ドミニク・エガーター スッター 26 +18.918 10 8
9 38 ブラッドリー・スミス テック3 26 +20.408 17 7
10 15 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 26 +20.566 12 6
11 16 ジュール・クルーセル スッター 26 +23.225 11 5
12 4 ランディ・クルメナッハ カレックス 26 +23.359 16 4
13 44 ポル・エスパルガロ FTR 26 +23.676 19 3
14 51 ミケーレ・ピロ モリワキ 26 +24.756 13 2
15 76 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ 26 +25.063 20 1
16 45 スコット・レディング スッター 26 +29.587 5
17 9 ケニー・ノエス FTR 26 +32.803 34
18 19 ザビエル・シメオン テック3 26 +32.997 31
19 35 ラファエレ・デ・ロサ モリワキ 26 +33.273 21
20 68 ヨニー・エルナンデス FTR 26 +34.837 30
21 34 エステベ・ラバト FTR 26 +35.765 22
22 71 クラウディオ・コルティ スッター 26 +41.502 28
23 75 マティア・パシーニ FTR 26 +49.702 15
24 14 ラタパー・ウィライロー FTR 26 +50.198 18
25 13 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 26 +50.789 33
26 54 ケナン・ソフォーグル スッター 26 +51.362 25
27 49 ケブ・コフラン FTR 26 +51.471 35
28 53 バレンティン・デビーズ FTR 26 +1:01.904 37
29 21 ハビエル・フォレス スッター 26 +1:14.039 24
30 39 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 26 +1:14.338 32
31 95 マシェル・アル・ナイミ モリワキ 26 +1:28.827 39
32 8 Alex Cudlin モリワキ 26 +1:29.889 38
Ret 63 マイク・ディ・メッリオ テック3 24 棄権 27
Ret 80 アクセル・ポンス ポンス カレックス 23 棄権 14
Ret 88 リカルド・カルダス モリワキ 19 棄権 29
Ret 97 Steven Odendaal スッター 14 棄権 40
Ret 25 アレックス・バルドリーニ スッター 11 棄権 26
Ret 36 ミカ・カリオ スッター 4 棄権 23
Ret 29 アンドレア・イアンノーネ スッター 0 アクシデント 8
Ret 64 サンティアゴ・エルナンデス FTR 0 アクシデント 36

125ccクラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 25 マーベリック・ビニャーレス アプリリア 24 42:00.505 3 25
2 18 ニコラス・テロル アプリリア 24 +0.048 1 20
3 7 エフレン・バスケス デルビ 24 +6.836 9 16
4 55 エクトル・ファウベル アプリリア 24 +8.298 2 13
5 5 ヨハン・ザルコ デルビ 24 +8.590 6 11
6 94 ジョナス・フォルガー アプリリア 24 +10.236 5 10
7 11 サンドロ・コルテセ アプリリア 24 +10.667 4 9
8 33 セルヒオ・ガデア アプリリア 24 +15.642 8 8
9 44 ミゲル・オリベイラ アプリリア 24 +22.838 12 7
10 39 ルイス・サロム アプリリア 24 +30.901 10 6
11 23 アルベルト・モンカヨ アプリリア 24 +33.796 15 5
12 15 シモーネ・グロツキー アプリリア 24 +34.413 11 4
13 96 ルイ・ロッシ アプリリア 24 +34.696 17 3
14 26 アドリアン・マルティン アプリリア 24 +41.236 7 2
15 10 アレクシ・マスボー アプリリア 24 +56.943 19 1
16 76 尾野弘樹 KTM 24 +57.409 23
17 52 ダニー・ケント アプリリア 24 +57.763 18
18 53 ジャスパー・イウェマ アプリリア 24 +57.823 16
19 63 ズルファミ・カイルディン デルビ 24 +57.884 13
20 3 ルイジ・モルシアーノ アプリリア 24 +1:02.089 21
21 84 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 24 +1:02.713 14
22 17 テイラー・マッケンジー アプリリア 24 +1:25.418 26
23 30 ジュリアン・ペドーネ アプリリア 24 +1:42.498 28
24 43 フランチェスコ・マウリエロ アプリリア 24 +1:43.885 25
25 56 ピーター・セベスティエン KTM 24 +1:44.903 29
26 19 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 24 +1:45.356 31
27 91 Kevin Szalai アプリリア 23 +1 lap 30
28 92 Kevin Thobois アプリリア 23 +1 lap 33
Ret 36 ホアン・ペレロ アプリリア 20 棄権 32
Ret 99 ダニー・ウェブ マヒンドラ 17 棄権 20
Ret 77 マルセル・シュロッター マヒンドラ 17 棄権 24
Ret 21 ハリー・スタフォード アプリリア 13 棄権 22
Ret 31 ニクラス・アジョ アプリリア 3 アクシデント 27

脚注

外部リンク


前戦
2011年のポルトガルグランプリ
ロードレース世界選手権
2011年シーズン
次戦
2011年のカタルーニャグランプリ
前回開催
2010年のフランスグランプリ
フランスグランプリ 次回開催
2012年のフランスグランプリ



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