1.固定結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/02 07:31 UTC 版)
固定結合(こていけつごう、英:anchoring junction)は、細胞を他の細胞や細胞外マトリックスに固定させる結合装置で、結合装置を細胞の内側から支える2種類の細胞骨格により2つに分類できる。この2種類の固定結合は,それぞれ細胞-細胞間接着と細胞-基質間接着に細分化される。介在膜タンパク質はカドヘリンとインテグリンである。 なお、固定結合のうち、接着結合は結合が永続的に“固定”しているという意味ではない。ここでの“固定”は「anchoring」、つまり、“錨をおろす”固定であって、錨を上げて、動くことが可能な“固定”である。細胞は状態に応じて結合を外し(錨を上げて)、動く。 結合名細胞骨格介在膜タンパク質タイプ結合装置接着結合(アドヘレンスジャンクション) アクチンフィラメント カドヘリン 細胞-細胞 接着帯(adhesion belt) 接着結合(アドヘレンスジャンクション) アクチンフィラメント インテグリン 細胞-基質 接着斑(focal adhesion) デスモソーム 中間径フィラメント カドヘリン 細胞-細胞 ヘミデスモソーム 中間径フィラメント インテグリン 細胞-基質 固定結合(anchoring junction)では、細胞の内側から弾力性の細胞骨格が固定結合を支えることで,組織や器官にかかる機械的なストレスに対応できる。細胞の形は機械的なストレスに抵抗しつつもフレキシブルに変形し、機械的ストレスがなくなれば、元に戻る。細胞がひっぱられても、細胞表面に斑点状に形成された結合装置がちぎれたり、引っこ抜けたりしない。それで、細胞結合は心臓や皮膚の細胞に多い。また,細胞外部からのシグナルを受容して、物理的な変化(細胞の移動、細胞形態の変化など)や化学的な変化(細胞内情報伝達など)をすることが可能となる。
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