黒枠事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 14:22 UTC 版)
1910年(明治43年)11月の会合は、石井柏亭の外遊と長田秀雄・柳啓介の入営の送別会を兼ねて盛大に行うことになった。この時の世話人は、高村光太郎、北原白秋、小山内薫、永井荷風、倉田白羊、森田恒友、木下杢太郎、吉井勇であった。この日の様子は谷崎潤一郎の『青春物語』にも描かれている。『新思潮』『白樺』『三田文学』の同人から、音楽・演劇の関係者まで参集し、空前の盛会となったが、会場に掲げられた「祝長田君・柳君入営」の貼り紙に高村光太郎が黒枠を描き込んでいたため、「萬朝報」に取上げられ、徴兵制度を非難する非国民の会と批判されてしまった(「黒枠事件」)。 大逆事件の裁判を控えた時期でもあり、黒枠事件以後は次第に盛上りを欠くものになっていった。パンの会は1913年(大正2年)頃まで続いた。明治の終焉とほぼ同時期であった。
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