高温における機械的性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:24 UTC 版)
「ステンレス鋼」の記事における「高温における機械的性質」の解説
金属が高温環境下に置かれると、一般的に変形抵抗が低下する。しかし、ステンレス鋼は高温でも比較的高い強度を保つことができ、上述のように高温環境下での耐酸化性や耐食性に優れることから、耐熱用途に幅広く利用される。JISでもいくつかのステンレス鋼の鋼種をそのまま耐熱鋼の鋼種として規定しており、ステンレス鋼は耐熱鋼の一種でもある。 オーステナイト系とフェライト系の2つが、耐熱用に供されるステンレス鋼の主流となっている。代表的な耐熱ステンレス鋼でいえば、常温での降伏応力はオーステナイト系よりもフェライト系の方が高いが、およそ 600 °C 以上の降伏応力はフェライト系よりもオーステナイト系の方が高くなる。そのため、より高温で使用する場合はオーステナイト系が、それ以外ではフェイライト系が重宝される。 オーステナイト・フェライト系は、600 °C 以上では、オーステナイト系とフェイライト系の中間的強度を示す。高温強度を向上させる場合、ニオブ、窒素、ケイ素、モリブデン、銅、タングステンなどの固溶強化元素の添加が行われる。マルテンサイト系にもモリブデン、バナジウム、タングステンなどの添加で高温強度を高めた鋼種があり、限定的ながらも強度が必要な個所で使用される。
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