飛車先不突矢倉型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 15:10 UTC 版)
その後、1980年代初頭に飛車先不突矢倉が登場し、先手矢倉に▲2七歩型の陣形が出現する。そして雀刺しとセットで用いられていった。 △持ち駒 歩 ▲持ち駒 歩図は▲1八飛まで第2-1図 雀指飛車先不突型基本図 △持ち駒 なし ▲持ち駒 なし図は△6四角まで第2-2図 雀指飛車先不突型実践図1 △持ち駒 角歩 ▲持ち駒 なし図は▲7一角まで第2-3図 雀指飛車先不突型実践図2 第2-1図は第1-3図と違って、桂跳ねも後回しにしている。そして▲1八飛とすれば、飛車先不突型の場合は2七の隙間がないので、相手に角や銀の交換体制になっても痛手にならない。そして次に▲1四歩ですぐに端がやぶられる。▲1八飛に以下△2二銀とさせて、先手▲6五歩として右銀を5七から6六もしくは左銀を6六のほかに単に▲4六角もある。 また、従来の雀刺し陣であれば▲4六角に△6四角と角交換をせまり、雀刺し側は2七地点に角を打ち込むすきまがあるので交換を避け、そこで後手は以下△7四銀の態勢を築くことができるのであったが、飛車先不突型ならば角交換も可能となった。一例として、第2-2図から第2-3図の進行は1982年4月26日の名人戦、先手中原誠 vs 後手加藤一二三戦。後手棒銀側が角交換に出て、先手は角交換に応じて2六の銀を後手陣の薄くなった中央に展開。後手陣形が崩れているうえに左右の銀が完全に遊び駒と化してしまっている。 さらに、飛車先不突型であれば従来の雀刺しと違って右銀を3七から2六、さらに2五に進出させて棒銀のように指す手段や、▲2六銀-3七桂から2五桂の桂跳ね端攻めと▲3五歩△同歩▲同銀からの2態勢攻めが可能となった。
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