自励系とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 自励系の意味・解説 

自励系

(非自励系 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/24 03:16 UTC 版)

微分方程式論または力学系理論において自励系(じれいけい、英語: Autonomous system)とは、独立変数を陽に含まない常微分方程式である。自律系(じりつけい)とも呼ぶ。逆に独立変数を陽に含む常微分方程式は、非自励系または非自律系と呼ばれる。独立変数を t とし、従属変数を x とすれば、自励系は

自励系ローレンツ方程式の相空間 (x, y z) 上の軌道の例

従属変数 (x1, x2, …, xn) の組でつくられる空間を、力学系分野では相空間という[13]。相空間上に描くことができる、解を表す曲線を軌道という[13]。自励系の軌道の接ベクトルは、与えられた微分方程式(系)のベクトル f(x) と等しい[14]

x(t) に対して x(t + c) も解になるという性質から、自励系の軌道は相空間上で交わらないという性質が導かれる[15]。別の言い方をすると、自励系の2つの軌道がある点 x0 を共に通るならば、それら2つの軌道は同一の軌道である[16]x0 を通る軌道の形は、x0 を通る時刻 t の値に無関係に決まる[17]。また、自励系の軌道が、自身と交わることもない[18]。非自励系にこのような一般的性質はなく、相空間上で2つの軌道が交わったり、ある軌道が異なる時刻で自身と交わることがありえる[19][18]。また、非自励系の軌道の形は、初期値 x0 だけでなく、初期時刻 t0 の値にも依存して決まる[20]

もし自励系がハミルトン系であれば、各軌道に沿ってハミルトニアンは一定となる[21]。すなわち、2n 個の従属変数

非自励系ダフィング方程式のある軌道を相空間 (x, v) 上および拡大相空間 (x, v, t) 上で見た例

任意の n 次元の非自励系は、n + 1 番目の従属変数として xn+1 := t を導入することで、n + 1 次元の自励系に機械的に変換できる[4][22]。すなわち、非自励系




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自励系」の関連用語

自励系のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



自励系のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自励系 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS