隠岐主流アクセント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/12 03:37 UTC 版)
「隠岐方言のアクセント」の記事における「隠岐主流アクセント」の解説
別府(西ノ島) 第1群:LH、LHL、LHHL、LHHLL、LHHLLL 第2群:HL、HHL、HHLL、HHLLL、HHLLLL 第3群:LH、LHH、LHHH、LHHHH、LHHHHH 上のような別府の体系が、隠岐での主流かつ古い形のアクセントと考えられる。島前の西ノ島、中ノ島(海士)と、島後の磯(加茂)は概ねこのようなアクセントである。ただ金田一春彦によると海士の第2群は3拍以上でもHLL、HLLLになるという。また浦郷(西ノ島)や海士ではイ列音・ウ列音の低下現象がある。たとえば、第1群3拍で2拍目にイ・ウ列があるとLLHとなり、3拍以上で3拍目にイ・ウ列があるとLHL、LHLL、LHLLLとなる。 一方、島後の南東部、西郷や東郷は、次のようになって第1群・第3群の高音部が1拍だけになる。 西郷・東郷 第1群:LH、LHL、LLHL、LLHLL、LLHLLL 第2群:HL、HHL、HHLL、HHLLL、HHLLLL 第3群:LH、LLH、LLLH、LLLLH、LLLLLH これは、別府のような体系から変化して、下降する直前の拍を残して語頭低下が起こったものと考えられる。もっとも、西郷や東郷でも、別府的な低下しない発音も聞かれる。 西郷から少し内陸に入った中条(原田)では、第1群3拍で高音部が後退する。それ以外は西郷と同じ。 原田 第1群:LH、LLH、LLHL、LLHLL、LLHLLL 第2群:HL、HHL、HHLL、HHLLL、HHLLLL 第3群:LH、LLH、LLLH、LLLLH、LLLLLH 島後東部の布施では、下降位置が大幅に後退している。布施では第1群および第2群で最後から2拍目の後で下降が起きる。ただし、下降位置の後退していない中条と同じような発音も報告されている。 布施 第1群:LH、LLH、LLHL、LLLHL、LLLLHL 第2群:HL、HHL、HHHL、HHHHL、HHHHHL 第3群:LH、LLH、LLLH、LLLLH、LLLLLH なお添田建治朗によれば、別府・浦郷・海士・磯・東郷などでは、第1群2拍はLHではなくLF(2拍目に拍内下降あり)と報告されている。同じく添田によれば中条や布施では第1群3拍がLLHではなくLLFとされている。
※この「隠岐主流アクセント」の解説は、「隠岐方言のアクセント」の解説の一部です。
「隠岐主流アクセント」を含む「隠岐方言のアクセント」の記事については、「隠岐方言のアクセント」の概要を参照ください。
- 隠岐主流アクセントのページへのリンク