開と閉は互いに排他的ではない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 08:53 UTC 版)
「開集合」の記事における「開と閉は互いに排他的ではない」の解説
位相空間の部分集合は、開であるもの、閉であるもの、開かつ閉であるものもあるし、開でも閉でもないものもある。 例として、実数直線 ℝ に通常の位相(ユークリッド位相(英語版))を入れたものを考える。これは以下のようなものである: 実数からなる任意の開区間 (a, b) は開集合であり、そのような区間からなる任意の合併もまた開集合である。例えば、そのような開区間の合併 (a, b)∪(c, d) は(両区間が交わっても交わらなくても)開集合になる。 任意の位相において、定義により、全体空間 X と空集合は開集合である。さらに言えば、全体集合の補集合は空集合で、これは開であるから、補集合が開となる X は定義により閉集合である。つまり、任意の位相において、全体空間は開であると同時に閉でもある(開かつ閉集合)。 開区間 I := (0, 1) は、ユークリッド位相の開集合族に入っているから、開集合である。仮に I が開な補集合を持つならば I は閉集合ということになるが、実際にはそうではない。補集合は ∁I = (−∞, 0]∩[1, ∞) で、これは開区間の合併には書けないから、ユークリッド位相には入っていない。よって I は開だが閉でない集合の例になっている。 同様の議論で、閉区間 J := [0, 1] は閉だが開でない。 最後に、半開区間 K := [0, 1) もその補集合 ∁K = (−∞, 0)∪[1, ∞) もユークリッド位相には入らないから、K は開でも閉でもない。
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