仏に逢うては仏を斬る
別表記:仏に逢っては仏を斬る、逢仏殺仏、逢佛殺佛
禅宗(臨済宗)の経典「臨済録」における《逢佛殺佛》という記述を読み下したもの。「逢佛殺佛 逢祖殺祖 逢羅漢殺羅漢 逢父母殺父母 (仏に逢うては仏を斬る、親に逢うては親を斬る、云々)~」と続く記述の一部。
「臨済録」は、臨済宗の開祖である臨済義玄の語録であり、「逢佛殺佛~」は解脱に至るのための教えである。当該のくだりは《逢佛殺佛 逢祖殺祖 逢羅漢殺羅漢 逢父母殺父母 逢親眷殺親眷 始得解脱 不與物拘 透脱自在》と続く。一般的な解釈は、あくまでも大雑把な解釈であるが、「解脱の境地に至るためには、この世の情・執着・しがらみの一切をうち捨てなくてはならない、自分の親や信仰でさえも例外ではない(捨て去らなくてはならない)」という教えである。
「仏に逢うては仏を斬る」という言い回しは、戦国時代の戦乱などを描いた創作などで「何人をも迷わず斬り伏せる鬼神のごとき境地」の表現として転用される場合がままある。その際は「鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬る」とか「神に逢うては神を斬り、仏に逢うては仏を斬り」という風に部分的に表現がアレンジされていることも多い。
ほうぶつさつぶつ 【逢仏殺仏】
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