近傍系による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:28 UTC 版)
対象 集合 X と近傍写像 N: X → F(X) の組 (X,N) すべて。ただし、近傍系 F(X) は X 上のフィルターで X の各点 x において条件U ∈ N(x) ならば x ∈ U なりたつ, U ∈ N(x) ならば V ∈ N(x) で V の各点 y に対して U ∈ N(y) となるものが存在する を満足するもの全体の成す集合である。 射 近傍を保存する写像すべて。ただし、近傍を保つとは写像f: (X, N) → (Y, N') が、V ∈ N(f(x)) ならば f(U) が V に含まれるような U ∈ N(x) が必ず存在することをいう。これは、V ∈ N(f(x)) なるとき常に f−1(V) ∈ N(x) であるかを問うことに等価である。 この定義は近傍の概念を公理化したものであり、U が N(x) に属するとき U は x の近傍であるという。近傍系から開集合の概念を回復するには、集合が開であることを、その集合が自身に属する全ての点の近傍となることと定めればよい。このとき、先ほどの公理の最後の条件は任意の近傍が開集合を含むことを述べたものであることが分かる。これらの公理(にハウスドルフ条件を合わせたもの)は Grundzüge der Mengenlehre における、位相空間のクラインによるオリジナルの定義をなぞるものになっている。
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