超函数の台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/06 17:51 UTC 版)
実数直線上のディラックのデルタ δ(x) のようなシュワルツ超函数にも、その台という概念を考えることができる。デルタ超函数に対する試験函数 F としては点 0 を含まないような台を持つ滑らかな函数を考える。このような試験函数に対しては δ(F) = 0 となる(シュワルツ超函数としての δ は試験函数 F を引数とする線型汎函数であった)から、超函数 δ の台 supp(δ) は一点集合 {0} と結論できる。実数直線上の測度(確率測度も含めて)はシュワルツ超函数の特別の場合であったから、測度の台も定義できる。 シュワルツ超函数 f と、ユークリッド空間の開集合 U について、台が U に含まれる任意の試験函数 φ に対して f(φ) = 0 が満たされるとき、超函数 f は U 上で消えているという。超函数 f が開集合族 Uα の上で消えているならば、∪ Uα に台を持つ任意の試験函数 φ に対して(1 の分割と台のコンパクト性を用いた簡単な議論で)f(φ) = 0 が言えるから、f の台 supp(f) を、f が消えるような最大の開集合の補集合として定義することができる。例えば先の例でみたように、デルタ超函数の台は supp(δ) = {0} である。
※この「超函数の台」の解説は、「関数の台」の解説の一部です。
「超函数の台」を含む「関数の台」の記事については、「関数の台」の概要を参照ください。
- 超函数の台のページへのリンク