赤城姫の伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 22:41 UTC 版)
『神道集』(室町時代に成立)には、赤城大沼と榛名湖をめぐる伝承が採譜されている。 上野国に「高野辺家成」(高野辺大将)という公卿が配流された。高野辺大将には美しい娘が3人いて、それぞれ「淵名姫」「赤城姫」「伊香保姫」といった。娘たちの母はやがて亡くなり、高野辺大将は信濃国から後添いを迎えた。その後、高野辺大将は罪を免じられて上野国国司に任じられ、娘達を継母に委ねて出仕した。 ところがこの継母は3人の娘を疎んじ、弟の更科次郎兼光に命じ、3人の娘を殺害させた。長女の淵名姫が利根川に沈められて殺されると、次女の赤城姫は赤城山へ、末娘の伊香保姫は榛名山(古名:伊香保山)へ逃げた。赤城姫は赤城大沼の竜神(または「晻佐羅魔女」)によって赤城明神に転生し、伊香保姫は榛名湖の竜神によって榛名明神となった。 3人の娘には都に出仕していた実弟がおり、事態を知って上野へ引き返すと更科次郎兼光を討ち、継母を捕らえて信濃に追放した。継母はその後冠着山(姥捨山)で死んだという。 この弟は、赤城大沼の畔で、神となった淵名姫と赤城姫(赤城大明神)に再会を果たした。このとき淵名姫を乗せていた鴫は大沼に降り立って小鳥ヶ島へ姿を変えたという。弟はその後、庵を結んで3昼夜にわたり姉を祀った。その地を「三夜沢」と称したという。
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