調合と使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 15:17 UTC 版)
没食子インクは一般的に硫酸鉄(II)(FeSO4)を没食子酸(C6H2(OH)3COOH)に加えることで調合されるが、鉄イオンを生ずるものであれば何でも使用できる(例えば、釘、鉄くずなど)。没食子酸は通常、没食子から抽出されるが、他の種類の木の虫こぶからも抽出できる。没食子の抽出物に発酵や加水分解を行うことで没食子酸が遊離し、より濃い黒インクを得ることができる。 発酵した抽出物は硫酸鉄(II)と混ぜ合わされ、濾過される。出てきた薄灰色の溶液にはバインダー(アラビアガムが最も一般的)が加えられ、紙や羊皮紙への筆記に用いられた。上手く調合されたインクは徐々に濃い紫黒色へと変化する。書かれた内容は羊皮紙にしっかりと付着し、(墨などとは異なり)こすったり洗ったりしても消すことができない。筆記面を薄く削ぎ落とすことが消すための唯一の方法である。
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