詳細モジュライ空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 02:21 UTC 版)
「モジュライ空間」の記事における「詳細モジュライ空間」の解説
この考え方は標準的な考え方である。発見的な見方としては、空間 M に対して各々の点 m ∈ M が代数幾何学的対象 Um に対応していれば、これらの対象を集めてきて M 上のトポロジカルな族 U とすることができる。(例えば、グラスマン多様体 G(k, V) はランク k のバンドルで、点 [L] ∈ G(k, V) は単純な線型部分空間 L ⊂ V である。) M を族 U の基底空間(base space)といい、もし任意の基底空間 B 上の任意の代数幾何学的対象 T が一意な写像 B → M に沿った U の引き戻し(pullback)となっている場合には、そのような族を普遍的(universal)と言う。詳細モジュライ空間(fine moduli space)とは、普遍的な基底を持つような空間 M のことを言う。 さらに詳しくは、スキームから集合への函手 F を考える。この函手はスキーム B から基底 B を持つ対象の適当な族全ての集合への函手であるとする。空間 M が函手 F の詳細モジュライ空間であるとは、M を表現する(英語版)(corepresent) F、つまり、点の函手 Hom(−, M) が F に自然に同型であるときのことを言う。このことは、M が普遍的な族となっていて、この族を同一視する写像 1M ∈ Hom(M, M) に対応する M 上の族であることを意味する。
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