解決策はあるのか?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 03:24 UTC 版)
現代社会において、非行、イジメ、カルト宗教、原理主義、民族紛争などの問題を多発させている根本原因は、「存在価値の確保問題」であるから、「存在価値」というキーワードは現代社会に生起する様々な問題を統一的に理解するための鍵となり得る。考えられる解決策は、人間の存在価値の確保への欲望を 1)抑圧する、2)保証する、3)超越する、かである。 強権を発動できる独裁国家で採られている対策が、1の「抑圧する」であり、民主的な現代文化国家で採られている対策は、2の「保証する」が基本であるが、この「保証する」という対策は完全な解決策に成りえないことは明白である。というのも、「存在価値」も相対的であることを免れ得ない「価値」の一種であるから、「万人の存在価値(他社に対する自己の相対的優越性)を保証する」などということは出来ない相談なのである。それゆえ、この方法は社会問題を減少させることに効果は期待できても、完全な解決策とは成りえないのである。3の「超越する」は、世俗的な方法としては「存在価値 (valeur existentielle)」に生きるのではなく、「存在理由 (raison d'être) 」に生きることで、「存在価値」からの一種の超越が実現されるであろう。
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