観音菩薩と聖母マリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 09:25 UTC 版)
「仏教とキリスト教」の記事における「観音菩薩と聖母マリア」の解説
中国学者のマーティン・パルマーは、おとめマリア(聖母マリア)と観音菩薩の類似性について述べている。観音菩薩はインドやチベットにおける男性のボーディ・サットヴァ、アヴァローキテーシュヴァラの中国名である。アヴァローキテーシュヴァラは、トルコへのネストリオス派の宣教の後、最初の一千年紀の間に中国で徐々に女体化が進んだ。台湾の仏教組織の慈済基金会もこの類似性に気付いていて、聖母子像に特に似せた観音菩薩と子供の図画を画家に注文している。 江戸時代の日本では、キリスト教は禁止され、キリスト教を棄教しない者は死罪に処せられた。そこで、隠れキリシタンの中には、観音菩薩像を聖母マリアに見立てて密かに崇める者もいた。その像は現代では「マリア観音」として知られているが、隠れキリシタンが実際に所持していたマリア観音像そのものはほとんどが観音菩薩であり、マリア像として作られたものではない。
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